2021 Fiscal Year Research-status Report
ライフステージ毎に必要なリスクマネジメントとESDを学ぶ住教育体制の構築
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19K02316
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯野 由香利 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (40212477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 裕子 静岡大学, 教育学部, 教授 (20136154) [Withdrawn]
倉渕 隆 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (70178094)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 安全教育 / ヒヤリハット / 空家問題 / 中古住宅の活用 / ESD / 持続可能な社会を実現する住まい方 / 知識構成型ジグソー法 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児期のリスクマネジメントの研究では、2020年度に引き続き、新潟大学附属N幼稚園において、2021年11月上旬~中旬に年少・年中・年長組の園児(59人)を対象に人形を使った安全教育を2回クラス毎に実施した。各クラスで多く発生するヒヤリハットの内容について担任教諭にヒアリング調査を行い、予防に繋がる内容を安全教育のテーマとした。さらに、安全教育後の予防効果を把握するために担任・副担任3人ずつ、園長及び養護教諭へのアンケート調査を行った。調査結果を新潟大学教育学部の紀要に投稿した。 成人期へのリスクマネジメントについては、建築設備従事者や行政の方々などの中年世帯を対象として、空き家の実態及び親や自分の家の今後(相続・売却・処分)などに関するアンケート調査を行った。さらに、建築学科と教育学部の大学生の若年世帯を対象に、空き家の実態や予防対策及び中古住宅の循環活用に関する講義を行い、空き家問題の実態や今後の対策に関するアンケート調査を行った。2020年に行った高齢者世帯対象のアンケート調査結果と共に分析して三世代から捉えた空き家問題の対策や今後の住宅のあり方に関してまとめ、2022年度の日本建築学会で発表する予定である。 ESDに関する研究では、2021年10月に新潟市立M小学校5年生3クラス106人を対象に、「物の一生を考えて、物を生かして生活するにはどうしたらよいか」に関する授業を4時間ずつ行った。循環型社会に関連する3Rに関するマイルールを習慣化することにより継続していけるようにした。今後、日本家庭科教育学会に論文として投稿する予定である。 新潟県立A高校において、2021年12月~2022年1月に、2年生7クラス279人を対象に知識構成型ジグソー法を取り入れた「持続可能な社会を実現するための住まい方」に関する授業実践を各クラス7時間ずつ家庭科教員に行っていただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究自体はおおむね順調に進んでいる。これまでの成果を日本家庭科教育学会で論文3報(審査付き)を公表し、新潟大学の教育学部紀要と集録に2報を出した。さらに、学会発表では4報分を公表した。 しかし、当初予定していたアメリカに行き、ESDやリスクマネジメントの動向の調査を行う予定であったが、未だコロナの流行が収束しないために、訪問調査ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者に対するESDとして、持続可能な住宅の確保のために、自分の住まいの将来の行方を考えてもらい、管理不全の空き家問題を解決する対策を考案する。さらに、高齢者を対象とした大学で講義を行い、アンケート調査などにより対策の有効性を検証する。 2021年度に行った全国の中学生1,855人の回答結果を踏まえて、学校における日常生活時や災害時における安全性とESDで求められている資質・能力を確保するための授業実践を考案し、3~4時間の授業を公立中学校で実践するために、家庭科教員との打ち合わせを進めている。 昨年度においてA小学校で行った授業は、音の伝わる仕組みや身近な騒音、及び騒音対策のための音源からの距離の確保や吸音、遮音に関する教示、身近な物を使用した対策方法の提示、騒音計を用いた計測による科学的な理解などを行った。しかし、騒音の実態把握や騒音対策方法の教示に留まった。2022年度に小学校5~6年生を対象とする3~4時間の授業では、音に関する原理・原則に基づき持続可能な社会における多様性を重視して、「様々な人や様々な状況の違いによる人の音の聞こえ方の相違」に着眼して、年齢による可聴音の範囲、人工音と自然音の音波の特性と環境心理的な感じ方の相違、時間帯や温度による可聴音の種類などを教える予定である。 新潟県立A高校で行った授業に関して、7クラス7回分のワークシートやアンケートの分析を行っており、まとめているところである。この授業での知見を踏まえて、2022年度には中学生が行える持続可能な住まい方を教示するための授業案を考案中である。
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Causes of Carryover |
アメリカへの訪問調査予定がコロナの流行が収まらずに未だ行けていない。国内での研究は推進予定であるが、訪問調査はコロナの感染状況によると考える。
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Research Products
(8 results)