2020 Fiscal Year Research-status Report
The Environment of Parenting of Fathers in the East Asia and the Comparing Study of Supporting Fathers
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19K02317
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
小崎 恭弘 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (20530728)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 父親 / 東アジア / 子育て支援 / 少子化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2月当初に予定していた、台湾と中国での現地フィールドワークやインタヴュー調査がコロナの影響により行うことができなかった。そのために予定を変更して、韓国、台湾、中国の三カ国の子育て状況及び父親の育児の取り組みや現状についての現地調査を行うこととした。当初香港も予定をしていたが、香港の社会的状況や調査の混乱が予想されるために、対象国から除外をした。 【研究目的】少子化の進展している東アジア各国の父親と父親支援の取り組みについて、それぞれの父親たちの子育てに対する関わりと政府の支援の有り様を明らかにすることにより、少子化への対応を父親支援の立場から明らかにする。【研究方法】対象となる東アジア3カ国(韓国、台湾、中国)において、それぞれの国における状況調査を海外調査を専門とする業者に委託して収集を行なった。共通の項目を提示し、現地のスタッフが各国の状況、取り組み、制度などについてレポートする。これらのデータを比較検討を行なった。 東アジアのこれらの国は中国の文化思想を取り入れ発展してきた歴史がある。それらは例えば「戸籍」による家制度の継承、儒教思想による長幼の序、男性主義などである。これらの文化的な継承と近代化によるライフスタイルの大きな葛藤が社会変革をもたらしている。これらの変化の一つが少子化であり、新しい価値や社会システムの移行においてこれまで違う取り組みが求められる。その一つが父親への育児支援であり新しい社会のあり方への取り組みであると言える。 また東アジアからの留学生にインタヴューを行い、具体的な各国での育児の滋養教や文化などについて、理解を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響により、当初予定していた現地でのフィールドワークやインタヴュー調査の実施が困難となった。また当初調査対象として予定をしていた香港は、国内外の混乱が続きフィールドワークが難しい状況となったために、対象から除外を行ったる新たな国の追加は行う予定はない。 直接的な現地でのフイールドワークとインタヴューが難しくなったために、その代替え策として、東アジア留学生へのインタヴュー調査や東アジア各国の父親支援状況や父親支援制度調査へと切り替えを行い、対応をした。これらについては順調に実施が行われている。東アジア各国レポートは、データとして入手できている。インタヴュー調査も、実施をしておりこれまで3名からインタヴューを行うことができた。 今年度は日本保育学会において「育児に関わる父親の意識―積極的な育児への関与は父親に何をもたらすのか?―」の口頭発表を行った。具体的には、コロナ禍の影響でエントリーのみとなり、オンライン開催もなされなかったが発表としては認められている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度となり、当初予定をしていた東アジア各国の父親へのアンケート調査の実施を予定している。具体的には中国、韓国、台湾の3カ国の子育て中の父親に対する、アンケート調査である。現在調査会社とその具体的な研究方法や質問項目等の内容について、検討、計画をおこなつているところである。この夏に実施の予定としている。 またオンラインを使用してのインタヴュー調査を行う予定である。学会発表、論文作成を予定している。具体的には日本保育学会に「東アジア地域の父親支援の取り組み―政府による制度のあり方を中心に―」のポスター発表を予定している。
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Causes of Carryover |
今年度予定の調査ができず、他の調査に振り分けた結果使用額に変更があった。
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