2019 Fiscal Year Research-status Report
フィリピンの幼児を対象とした栄養補助食品の調理・加工法の検討と栄養教育教材の作成
Project/Area Number |
19K02323
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
池田 昌代 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (10364704)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | フィリピン / 幼児 / 食事調査 / 栄養教育 / daycare center |
Outline of Annual Research Achievements |
フィリピン共和国(以下、フィリピン)では、経済格差と同様に貧困ゆえの栄養格差も深刻な問題となっている。フィリピンの一部の地域では、幼児の栄養補助食品として、米、緑豆、ゴマの混合物であるKALINGAを使用した補食の摂取を推奨している。しかし、KALINGAの主成分は、炭水化物とタンパク質であり、摂取による体重増加は期待できるものの、ビタミン、ミネラルなどの微量栄養素の含有量は乏しく、補食として用いるためには不足栄養素を補うべく調理・加工法の検討が必要である。そこで、本研究ではフィリピンの農村地域に在住する幼児を対象とした食事調査からエネルギー及び栄養素摂取量の問題点を抽出すると共に、不足栄養素を考慮したKALINGAの調理・加工法について検討する。また、これらの結果をもとに、Web上で閲覧できる幼児のための栄養教育教材を作成することを目的とした。 対象者の食生活とエネルギー及び栄養素摂取量を把握するためにDSWD(政府社会福祉開発省)が管轄する daycare center において、3~4歳の幼児25名(女=14名 男=11名)を対象とした食事調査を行った。また、Philippine Dietary Reference Intakes(Food and Nutrition Research Institute)を参考に、補食の給与栄養目標量を設定しDaycare centerで提供する補食のサイクルメニュー(1か月分)と栄養教育教材の作成を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度はフィリピンの農村地域に在住する幼児の食生活とエネルギー及び栄養素摂取量の現地調査を行う予定であったが、COVID-19の世界的な流行により渡航ができなくなった。このため2019年度に実施を計画していた食事調査のデータ収集が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019年度に実施できなかった、幼児を対象とした食事調査のデータ収集、解析を行う。また、補食のサイクルメニューを引き続き作成すると共にレシピの最終調整を現地にて行う。さらに、Web教材の作成準備として、レシピ集、栄養教育教材をフィリピノ語版として作成する。
|
Causes of Carryover |
2019年度はフィリピンの農村地域に在住する幼児の食生活とエネルギー及び栄養素摂取量の現地調査を行う予定であったが、COVID-19の世界的な流行により渡航ができなくなった。このため2019年度に実施を計画していた食事調査を次年度に行うことを予定しており、次年度使用額の旅費及び謝金に充当する。
|