2023 Fiscal Year Annual Research Report
多様化する保育施設における「保育の質」確保のための物理的環境整備について
Project/Area Number |
19K02324
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
定行 まり子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80235308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五関 正江 日本女子大学, 家政学部, 教授 (00170449)
青木 賀津子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (00829351)
澤田 美砂子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (20409262)
小池 孝子 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (50508778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育施設 / 環境 / 食育 / 運動遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
保育施設の整備方針について、スウェーデンおよび中国において現地調査を行った。また、新型コロナ流行下において明らかとなった建築計画上の問題について、その対応策を検討するため、スウェーデンにおける施設視察調査を実施した。 更に、特に冬季に寒冷・積雪により屋外での運動遊び環境の確保が困難になる北海道において、日高管内の保育施設に通う子どもの保護者へのアンケート調査ならびに保育者へのヒアリング調査を行い、子どもの運動遊び環境に関わる課題について明らかにしようとした。 ウプサラ市建築課へのヒアリング調査では、保育施設設置のプロセスについて、建設の立案段階から、建築課だけでなく都市計画や保育の担当部署など多様な主体が関わっていることがわかった。市では、地区の市街化段階ごとの屋外空間のガイドラインを設定しているほか、スウェーデン国内の自治体協会では、保育施設の各室に求められる機能をまとめたガイドラインや、施設規模別の設計事例をコンセプトプランとして提示することにより施設レベルを高く保つことをサポートしている。 コンセプトプランには、①子どもを一定人数のグループに分け、グループごとに諸室を配置、②グループの教室は大教室ではなく、子どもの主体性に任せて過ごす空間を選べるよう小部屋の連続となっている、といった特徴があり、分散する子どもを保育するために保育士の配置基準も手厚い。 コロナ禍における対応では、屋外で過ごすことを基本にしていたため、従来の施設計画に課題を感じることはなかったという意見が得られた。日本では、感染した子どものための医務室が整備されていないことが課題となっていたが、社会構造の違いから保護者がすぐ迎えに帰れることに加え、上記の設置プロセスの通り、職住近接の施設計画を都市計画としておこなっていることから医務室は必要ないという状況が窺えた。
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Research Products
(1 results)