2020 Fiscal Year Research-status Report
中山間地域における包括的子ども育成モデルの構築と検証
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19K02346
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
村田 久 目白大学, 人間学部, 准教授 (80350445)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 田園回帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は2019年度に収集した宮古島データの分析を中心に行った。分析の結果、離島というイメージでは、島全体が一つの価値観のもとにあると考えがちであるが、実際には性別や年齢等の違いにより多様な価値観が存在することを明らかにした。勿論、共通する価値観も根底にはあるが、そこには一般に想像する以上の多様性があることが示された。都市がその魅力を失いつつある現状を鑑みれば、Uターンを含め、地方や中山間地域への人口移動は若年層の選択肢に入ってくることは間違いなく、各種世論調査においても中山間地域への移住希望の増加傾向が見られる。しかし一方で、移住は目的ではなく手段であり、移住地での生活を充実させるためには事前知識や適切な社会的認識が求められることが示唆された。 内閣府が実施する「国民生活に関する世論調査」、「社会意識に関する世論調査」から田園回帰への願望と実態について検討を行った。1990年半ば以降は大都市圏で都心回帰が進行しており、2019年までは都市部への転入増は高い水準で推移していたが、2020年では東京都において転出超過の現象がみられ、田園回帰の傾向が現れた。これは新型コロナによる影響と考えられるが、この傾向が2021年度以降どのように推移していくの注視していく必要がある。移住者に実施した調査で、移住の際に重視したことを訊ねた結果からは買い物、娯楽サービス、医療・福祉施設、保育・教育施設、公共交通機関が整っていることなど、都市型のライフスタイルを要望していることがみてとれる。中山間地域や田園・村落に求めているものは、都市型のライフスタイルをベースにして豊かな自然を満喫したい意識が強く、田園回帰への定着は容易ではないことが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響により、現地に赴いてのフィールドワークの実施が行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においても現地に赴いてのフィールドワークの実施は困難であると考えられるが、オンラインを用いたインタビューの実施や郵送調査によりデータの収集を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により2020年度は現地に赴いてのフィールドワークの実施が行えなかったため繰越金が生じた。 2021年度は新型コロナの影響を鑑みながらフィールドワークの実施を試みる。現地に赴いての実施が困難な場合は、オンライン等を用いた聞き取り調査、WEB調査及び郵送調査を代替え的に実施する予定である。
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