2021 Fiscal Year Research-status Report
アパレルCADシステムを用いた風合い「しっとり」の触覚と視覚評価の関係
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19K02348
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
末弘 由佳理 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (40469531)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | しっとり |
Outline of Annual Research Achievements |
着装状態の衣服から得られる視覚的な「しっとり」の印象と触感における「しっとり」の関係を調べ,画像上に表現されたフォルムから得る印象に,布の風合い「しっとり」がどのように評価されるかについて明らかにすることを目的とした。 45種の布を触感評価した先行研究による検査結果に基づき「しっとり」の差が明確な6種を選定した。アパレルCAD(テクノア社製のi-Designer)上でバーチャル布及びギャザースカートのパターンを作製し,3Dフィッティング機能を用いて着装を行った。バーチャル布作製の際には,目付,厚さ及びKESで得た曲げ・せん断・引っ張り特性の物性値を用いた。見た目の評価においては,着装状態の画像6種を提示し,「しっとり」,「やわらかい」,「重い」,「美しい」,「かわいい」,「ドレッシー」,「好み」について7段階によるSD法により評価値を得た。 バーチャルによるギャザースカートの画像から受ける「しっとり」と布を触ったときの「しっとり」を比較すると,最大・最小値の差は視感では約0.7(触感は約4.1),視覚の「しっとり」の方が差が小さい傾向にある。せん断・曲げ共に剛い編布は,視・触感ともに「しっとり」の評価が高く,布の風合いがバーチャル画像からも同様の印象をうける可能性がわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、発表申し込みをしていた学会において、新型コロナウィルスの影響により、誌上開催となり、議論の場を持つことができなかったが、2021年度開催の学会では、リアルタイムでのオンライン形式で実施され、議論の機会を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、バーチャルで作成した衣服において、視覚的な「しっとり」の差をアンケートを用いて測定したが、それらの値と照合し、差の要因となる物性を明確にしていくことを今年度の主たる内容とする。
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Causes of Carryover |
当初購入予定であった機器類が学科の環境整備において導入され、科研費で購入する必要がなくなったためである。データをまとめる段階になっているため、新規機器の導入ではなく、検査対象者やデータ整理に対する謝金に一部を使用する予定である。
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