2022 Fiscal Year Research-status Report
アパレルCADシステムを用いた風合い「しっとり」の触覚と視覚評価の関係
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19K02348
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
末弘 由佳理 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (40469531)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | しっとり |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネットショッピングにおいて,商品の印象を消費者に与えるため,写真やイラスト等の画像が用いられることが多く,布を用いた商品においては,画像から色やフォルムの情報の他に,触感の情報を伝えることが可能であれば,より満足度の高い購買が成立する。本課題の目的は,着装状態の衣服から得られる視覚的な「しっとり」の印象と触感における「しっとり」の関係を調べ,画像上に表現されたフォルムから得る印象に,布の風合い「しっとり」がどのように評価されるかについて明らかにすることであり,今年度においては,視覚的な「しっとり」を判断する際に,衣服のどの部分を捉えて評価するのかを明らかにすることを目的し,実験及び解析を行った。 実験方法としては,衣服のフォルムとの視覚的な「しっとり」の関係をみるため,テクノア社製のi-Designerを用いて,バーチャル布及びギャザースカート3D画像を作製し,前面の面積,高さ(丈),幅をAdobe社製Photoshop,脇線のウエストから裾にかけての広がり(角度)を東レ社製クレアコンポⅡにより計測した。試料とするバーチャル布は,触感「しっとり」の異なる6種において,KESによる物性値を用いて作製した。 実験データの解析の結果,ギャザースカートの3Dバーチャル画像(前面)の計測値においては,視覚的な「しっとり」と面積及び脇線角度の間に負の高い相関関係がみられ,評価者はギャザースカートのウエストライン付近の脇線の膨らみを見て,判断していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は,発表申し込みをしていた学会において,新型コロナウィルス感染症拡大の影響により発表をエントリーしていた学会において誌上開催となり,議論の場を持つことができなかったが,2021・2022年度開催の学会では,リアルタイムでのオンライン形式で実施され,議論の機会を得ることができ,今後の方向性を整理することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実験においては,概ね終了し,当初予定していた実験データが得られたため今後は論文執筆をしていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入予定であった最も高額な機器が学科の環境整備において導入され,科研費で購入する必要がなくなったためである。データをまとめる段階になっているため,新規機器の導入ではなく,検査対象者やデータ整理に対する謝金として主に使用する予定であるが、バーチャル衣服をリアルに表現し、確認する目的でミシンの購入を検討中である。
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