2020 Fiscal Year Research-status Report
学校着用服が育む諸感覚の解明と服育への応用方法・効果測定指標の開発
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19K02353
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
内藤 章江 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特任講師 (70367639)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 服育 / 学校着用服 / デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目の結果と筆者の既往研究成果をもとに「学校で着用する衣服」をビジュアル化し、中学生、高校生、大学生に呈示してどのようなデザイン要素がどのような意識や諸感覚を育むのか、コミュニケーションにどのような影響を及ぼすのか、心理実験を通じて明らかにする計画を立てていた。しかし、2020年度初めに新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急事態宣言が発令され、小学校、中学校、高等学校、大学において休校措置が取られた。そのため、学校では授業時間の確保が最優先事項となり、本研究の調査・実験依頼はできない状況となった。そこで、計画した実験は2021年度に実施し、2020年度は中学・高等学校における制服のデザインがどのように検討され、「着用者」と「その周囲の人」がどのようなコミュニケーションをとりデザイン決定するのかを調査した。ここではA県I市の調査結果を示す。A県I市では、2022年4月の新制服導入を目指してプロジェクト委員会を立ち上げ、中学生にどのような制服を着たいか、保護者や教員にはどのような制服を着てもらいたいか、についてアンケート調査とヒアリングを複数回実施した。さらにI市をイメージするものについて児童・生徒に調査を行った。その結果をもとに「みんな」の制服に対する想いを「ことば」にまとめ、この想い(ことば)とI市のイメージを具現化するデザインを提案し、I市の全児童・生徒の投票により基本デザイン1体を決定した。1年目の調査結果では、着用者である「生徒」と「教師」、「保護者」の学校着用服へ期待する役割は異なり、それにより相互のコミュニケーションにずれが生じることが推察できたが、今回の調査により、着用者とその周囲の人々(保護者、教師、地域住民など)の「想い」を聞く機会を設け、その想いを合致させてから制服デザインを提案することにより、着用者とその周囲との関係性を良好にすることが推察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記にも記載したが、新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急事態宣言が発令され、小学校、中学校、高等学校、大学において休校措置が取られたため、当初計画していた実験を行うことができなかった。しかし、急遽行った事例調査により新たな知見を得たため、2021年度は今回得た知見をもって2020年度に実施を予定していた実験を進め、最終的に服育効果を測定する尺度を作成したい。2020年度に予定していた実験は実施できなかったが、最終年度に成果を出すことができるよう柔軟に計画を変更して対応したため「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度実施できなかった実験は、事例調査によって得た知見をもとに再度内容を見直し、2021年度中に実験を実施する。その実験結果をもとに「学校で着用する衣服」が育む諸感覚を説明するための教育ツールを作成し、その教育効果を測定するための評価指標を作成する。作成した教育ツールと評価指標を冊子化し、事例調査を行った地域等で評価・検証を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急事態宣言が発令され、小学校、中学校、高等学校、大学において休校措置が取られたため、当初計画していた実験を行うことができなかった。そのため、2020年度は実験にかかる費用は使用できず、2021年度に持ち越して実施することとなった。2021年度は2020年度に予定していた実験を含め、最終的な結果を取りまとめて冊子化するために助成金を使用する。
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Research Products
(2 results)