2022 Fiscal Year Research-status Report
学校着用服が育む諸感覚の解明と服育への応用方法・効果測定指標の開発
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19K02353
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
内藤 章江 お茶の水女子大学, 生活科学部, 学部教育研究協力員 (70367639)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学校制服 / 服育 / 制服導入効果 / 制服着用効果 / 学校現場 |
Outline of Annual Research Achievements |
A県I市の中学校(計19校)は、2022年4月に「みんなの想い」を反映した学校制服を導入した。2022年度は本研究の最終目的である「学校着用服が育む諸感覚の解明」と「服育への応用方法・効果測定指標の開発」を達成するために、A県I市の中学校における「みんなの想い」を反映した学校制服(新制服)導入直後の諸効果と、制服導入からしばらく経過した学校現場の変化について調査し、「みんなの想い」を反映した制服が着用者である中学生、今後着用を予定している小学生、着用者と着用予定者の保護者や教員にどのような諸感覚を育み影響を及ぼすのか、また、学校現場にどのような変化をもたらすのかを明らかにした。
新制服の「導入効果」を明らかにするために2022年4月~5月にI市の小6~中2(計5,471名)と教員・保護者(計6,642名)を対象にオンラインによる質問紙調査を実施し、「学校現場の変化」を明らかにするために2022年12月にA県I市立の中学校(19校)の校長(計19名)を対象にオンラインによるヒアリングを実施した。その結果、児童・生徒においては新制服は通っている学校の一員であることを自覚させる効果が高く、保護者・教員においては着こなし方に関心を持つ気持ちの醸成する効果を期待していることが明らかとなった。新制服を導入してよかった点と、醸成される気持ちには相関が認められ、「よかった」と思うことがポジティブな諸感覚を生み出すことが明らかとなった。19中学校長へのヒアリングの結果、新制服導入から9か月経過した学校現場は、生徒が自主的かつ積極的に自治活動が行われ、身なりやきまり(ルールや校則)を見直し考える行動がなされることが明らかとなった。つまり、「みんなの想い」が反映された制服を導入するとポジティブな諸感覚を生み出し、生徒の自主的で積極的な「変化を起こす行動」を促すことにつながることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
柔軟に計画変更・対応したことにより、研究を停滞させることなくコロナ禍においても調査を実施できる方法(オンライン・Googleフォームを活用した調査を実施)・協力体制(A県I市の小中学校、教育委員会の協力)を得ることができ、2021年度、2022年度は本研究の最終目標に向けた調査・分析を進展させることができた。しかし、2022年度中に服育効果測定指標の作成及び検証を行うことができなかったため、2023年度まで研究活動を延長することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、これまでの研究成果を取りまとめ、服育効果を可視化し、教育現場で利用可能な服育効果測定指標を作成する。作成した指標は実際に有用性と汎用性を実証的に検討し、本研究の最終目的である「学校着用服が育む諸感覚の解明」と「服育への応用方法・効果測定指標の開発」を行う。
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Causes of Carryover |
申請時点では紙媒体を用いた調査と調査のための旅費等を計上していたが、2019年度以降のコロナ禍ではそれらの実施がかなわなかったため、計画した通りに予算執行することができなかった。2022年度はオンラインを活用した調査に切り替えるなどの工夫をはかり、調査を進めたが、予定していた指標の作成、論文投稿は行うことができなかった。2023年度は2022年度中に実施できなかった指標の作成と実証(指標の使用と評価)、論文投稿を積極的に行い、計画通りの予算執行を目指す。
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Research Products
(1 results)