2019 Fiscal Year Research-status Report
腸内環境に着目したストレス軽減効果を有する食品素材の探索と有効性評価
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19K02357
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
萱島 知子 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (90452599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 主典 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (90254565)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレス / 腸内環境 / ローズマリー / 脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ストレスによる腸内環境の悪化を軽減する食品素材を見出し、それらがストレス状態における脳機能に与える影響をマウスを用いて検討することである。最終的には、ストレスによる腸内環境の悪化を食品素材により軽減することが、脳機能保護さらには全身の健康維持に有効であるかを明らかにすることもめざしたい。 本年度は、植物由来の熱水抽出物を対象とし、ストレスにおいて腸内環境を調整する効果を示す食品素材の探索をめざした。balb/c系雄マウスを用い、10日間金属製ケージに拘束(3 h/d)した場合の腸内環境因子を含むストレス関連因子に対する影響を検討した。その結果、対照群と比べ、ストレス群では処置翌日より体重増加量の有意な低下がみられたが、抽出物摂取群では処置5日目まで有意な差はみられなかった。しかしながら、その後は対照群の体重増加量に対して有意な低下がみられたことから、過度のストレスに対しての効果は限定的であり、小腸内容物IgA濃度にも差はみられなかった。腸内環境因子については、ストレス群にて小腸でのムチンと抗菌ペプチドの遺伝子発現の増大がみられたが、抽出物摂取群では抑えられていた。また脳機能への影響として、ローズマリー抽出物摂取による強制水泳試験における不動時間の抑制、脳の炎症に関与するミクログリア細胞の活性の抑制が確認された。 以上より、ストレス下での腸内環境因子に対して効果を示す食品素材を見出し、さらに脳機能への影響を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験ではあるが、ストレスによる腸内環境の変動に対して有効な効果を示す食品素材を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験により見出した有効な食品素材について、急性ストレスの条件も含めて、ストレス反応による腸内環境の変動や血清・肝臓のストレス関連因子に対する影響を明確にしたい。その際、本年度は実施しなかった腸内細菌叢への影響も調べたい。また、熱水抽出物摂取がストレス状態での脳機能に与える影響についても明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入を安価におさえることができたため、残金は次年度の消耗品の購入に充てたい。
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Research Products
(2 results)