2021 Fiscal Year Research-status Report
戦後沖縄の食生活と食文化に関する一考察 ―次世代への継承・創造に向けて―
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19K02358
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
田原 美和 琉球大学, 教育学部, 准教授 (30347124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 玲子 琉球大学, 教育学部, 教授 (10325821)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 沖縄 / 食生活 / 食文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後沖縄の食生活の変遷と食文化について、文献・資料、フィールドワーク等を通して米国統治時代に外来の食文化の何を如何に受容し、継承・創造してきたのかを考究しながら、最終的には得られた知見をもとに、学校現場での活用を目指した食育の教材提案を行うことを目的としている。昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながら取組んだ研究の概要は下記の通りである。
(1)沖縄の食に関連する文献調査を継続して行い、得られた資料をもとに、沖縄の昭和初期頃から米国統治期における主食としての穀類、いも類の調理法や料理、器具類の状況等に関する研究成果の一部を学会で報告した。具体的には、米国統治下における穀類、いも類の利用状況について、戦前から戦後しばらくは庶民の主食であった甘藷の調理法や料理、配給食糧の小麦粉を利用したパン、麺等の料理の一部を紹介し、併せて、沖縄県公文書館のデジタルアーカイブ資料等を参考に、リパック物資による学校給食(パン)の状況について報告したものである。戦後の厳しい食料難の中で、人々がどのような知恵と工夫を重ねながら食生活を営んできたのかを他県との比較・整理しながら、食育の教材(ICTの活用)を提案するための基礎資料を作成した。
(2)高齢者を対象とした戦後の食生活に関する聞取り調査等については、感染症の影響を受け、昨年度と同様に調査が厳しい状況であったものの、所属機関の研究活動の指針を遵守しながらの予備調査、聞取り調査の項目を検討し、関連する自治体へ調査協力への依頼を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
沖縄県内の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、令和3年度も計画通りに高齢者を対象とした本調査を実施する事が困難であった。また、沖縄の戦後の食生活に関する文献・資料収集については、順調に進んではいるものの、高齢者を対象とした調査結果が得られていないことから、それらを踏まえた食育に関する教材・資料の提案まで至っていない。 上記の理由により、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)所属機関の研究活動の指針に沿って、沖縄本島中・南部における質問紙調査の実施、その後の聞取り調査、フィールドワーク等を実施する。(2)戦後の食生活に関する資料収集については、継続して取組みながら、データベース化を行う。(3)学校現場と連携しながら食育に関する教材・資料の開発に取組む予定である。(4)関連学会を通して研究成果の発信に努める。
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Causes of Carryover |
主な理由として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当初の計画通りに高齢者を対象とした聞取り調査、フィールドワーク等を実施することができず、そのための調査費用、謝金、旅費等を次年度に繰り越すことになった。生じた予算については、2022年度に実施する質問紙調査、聞取り調査等の謝礼、フィールドワーク、資料収集、研究打ち合わせ、成果発表を行うための学会参加等の旅費、データ整理等の謝金、ICTを活用した教材・資料作成費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)