2020 Fiscal Year Research-status Report
High risk intervention and population approach for obesity of shift workers
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19K02367
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Research Institution | Matsuyama Shinonome Junior College |
Principal Investigator |
田中 洋子 松山東雲短期大学, その他部局等, 准教授 (30790357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 加奈子 広島国際大学, 心理学部, 講師 (20510283)
丸山 広達 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20627096)
加藤 匡宏 愛媛大学, 教育学部, 教授 (60325363)
斉藤 功 大分大学, 医学部, 教授 (90253781)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 交代制勤務者 / 肥満 / 時間栄養学 / 行動科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
交代制勤務者は定時制日勤勤務者に比べて、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、消化器疾患、心血管系疾患、およびがんなどの発症リスクが高いことが報告されており、我々が2017年に実施したパイロット調査においても、男性では40歳以上、女性では20歳から40歳にかけて肥満の割合が高いことを明らかにしている。今後の超高齢社会において交代制勤務者の健康管理は重要な課題であり、体内時計が変調しやすい交代制勤務者の健康の保持増進には、「時間栄養学」の概念に基づく公衆栄養学的アプローチが有効ではないかという考えに基づき、栄養・運動指導を取り入れた行動変容を促す効果的な支援方法の確立を行うことを目的としている。 2019年度は、「肥満に関連した不規則な食生活要因の特定」を目的として、愛媛県内の介護老人保健施設15施設で働くすべての職種のコホート集団において、(1)日勤、夜勤などの勤務形態毎の朝・昼・夕・夜食・間食等の頻度(2)睡眠時間(3)身体活動等生活リズムに関する生活習慣因子(4)主観的健康観(5)職業ストレス(6)SF-8など社会心理要因調査も含む質問票を使用したベースライン調査を実施し、644名より回答を得た。解析した結果、勤務形態は肥満との明確な関連はみられなかったが、男女とも「食べる速度が速い」(p<0.01)、男性は「麺類の汁を残さない」「高ストレス」(p<0.05)、女性は「夕食時間が遅い」「お腹いっぱい食べてしまう」「朝食の欠食」(p<0.05)の項目において、肥満者が有意にその割合が高かった。したがって、交代制勤務者の肥満にはこれらの食生活要因に留意が必要であることが考えられた。 2020年度はその解析結果に基づき、介入9施設300名に対してポピュレーションアプローチとしてメタボリックシンドローム該当・予備群該当のリスク解消のための食生活改善リーフレットを作成、配布を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、介入9施設300名に対して、昨年度データ収集から把握した肥満に関連した不規則な食生活の特定に基づいて、ポピュレーションアプローチとして食生活改善に向けたリーフレットの配布を実行することができたため、予定通り進められていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も引き続き、15施設のうち9施設300名は介入、8施設300名は非介入として、無作為化比較試験を実施する。介入9施設のうち80名に対して、性、年齢、施設でマッチングした対照80人を選択して比較する準実験的デザインに基づき、管理栄養士による定期的な半構造化面接の実施に取り組んでいく予定である。
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Causes of Carryover |
調査対象人数は当初1,200名を予定していたが、施設の細分化により、50人未満の事業場ではストレスチェックに関する報告義務がないため、対象人数が半分に減少してしまったため。
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