2021 Fiscal Year Research-status Report
インゲン属雑豆の処理条件と含有レクチンの免疫賦活活性との関連と食品への応用
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19K02373
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
畦 五月 香川大学, 教育学部, 教授 (60169620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 万里子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (00351932)
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (90198119)
秋山 純一 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00309600) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レクチン / 赤血球凝集活性 / 白花マメ / トラマメ / ガン細胞増殖抑制作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
インゲンマメ3種類(金時マメ、白花マメ、トラマメ)について、乾熱、湿熱の条件下(100℃、60分)で加熱処理を実施後、カラムクロマトグラフィーにより赤血球凝集活性を示す画分を得た。3種のマメから得られたレクチンの画分を以下の観点から比較検討した。 レクチンは、エンドサイトーシスにより体内に取り込まれることが知られていることから、消化酵素に対する耐性をまず検討した。その結果、3種のマメの加熱後の画分について、生マメから得られた画分と同様にタンパク質分解酵素によりほぼ分解されないことが確認された。そこでこれらの画分が消化吸収後体内を循環した場合の影響を検討するために、ガン細胞(ヒトとマウス両方)を使用して細胞増殖抑制作用をキントキマメやサトイモレクチンと比較して検討した。ガン細胞表面に存在する糖鎖を認識する能力はマメの種類により差がある。本研究の大きな特徴である熱処理でレクチンのタンパク質が変性するため糖鎖認識能力に差が現れると推測される。 キントキマメは、ヒト肝臓ガン細胞であるHepG2に対して特異性があるとの報告がある。今回使用した生キントキマメは、対照に比較し有意差を示したがさほど強力な増殖抑制作用は示さず、加熱後マメから得られた画分も画分によって抑制作用に差が見られた。 生及び加熱マメ双方からの白花マメ試料は、HepG2細胞に対して対照と比較して有意差が認められない画分がほとんどであった。対して、生・加熱試料ともにトラマメの方が有意差を示した画分が多かった。ヒト子宮がん細胞であるHela細胞に対しては、白花マメ、トラマメともに有意に低下させる画分が多い傾向がみられた。特に、トラマメの方が、加熱処理の有無に関わらず、Hela細胞増殖抑制作用は有意である傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生及び加熱条件を変化させたマメからHA活性を有する画分を分画した試料について、ガン細胞への増殖抑制作用を検討中であるが、これらの結果を含めて概ね予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
加熱処理を施した白花マメとトラマメからのレクチン画分について、同様に加熱処理を施した金時マメを対照として、ガン細胞への特異性、腸内ビフィズス菌への増殖作用などを検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症下で、学会参加のための旅費使用がなかったため残額が生じている。
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Research Products
(2 results)