2021 Fiscal Year Research-status Report
管理職着任前に必要とされる資質能力の解明と管理職候補者研修プログラムの開発
Project/Area Number |
19K02389
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鎌田 信 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (10826647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 誠祐 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (50760881)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 管理職着任前の資質能力 / 管理職育成研修モデル / 教職大学院の活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は管理職の育成について考察するものであり、そのため、管理職着任前までに必要となる資質能力について考察し、その上で管理職育成に資する研修モデルの開発を行うものである。 当該年度は研修モデル開発に当たり、これまで同様な実践がなされている大学の状況を参考に、考えられる研修パターンとして(1)パッケージ型〈管理職に必要とされる講義内容を2~3日程度の日程で開設〉(2)講座選択型〈管理職に必要とされる講座を数種類開発して開講し選択履修〉(3)授業参加型〈教職大学院が開講する授業に参加〉(4)オンデマンド配信型〈(2)のオンデマンド型〉の4種類の分類を行い、各研修パターンの利点、課題を整理した。その上で、管理職候補者に(1)パッケージ型を活用した研修実践を試みた。昨年、試行的に1日研修を開催したがアンケート結果から94%の参加者が有効であったとの評価が得られた。当該年度は前年度のアンケート結果及び教育委員会の意見を参考に研修内容を増加して年2回(9月、12月)の管理職候補者研修「スクールリーダー研修講座」を実践した。また、昨年度は教頭試験合格者を対象としたが、当該年度は教頭試験1次合格者70名を対象として研修を実施した。1回目と2回目の研修の間には2次試験があり、2次試験合格者と不合格者の混在した研修を2回目として実施した。そのことにより不合格者のモチベーションの維持が懸念されたがアンケートからはモチベーション低下傾向の要素は見られず、逆に有効な研修であったと高い評価を得た。 研修内容はこれまでの資質能力に関する管理職候補者、教頭のアンケート調査及び教育委員会の意見を踏まえ、①危機管理、②学校経営、③特別支援教育、④生涯学習、⑤カリキュラムマネジメント、⑥学校組織文化、等についてマネジメントの視点で捉えた管理職候補者研修の内容として実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
継続するコロナ禍において、調査研究が十分に出来ない状況にあった。特に管理職着任前までに必要となる資質能力について校長への調査も必要と感じ、直接訪問して話を伺う必要があると考えたが、学校訪問やアンケート調査は自粛傾向にあることから控えた。これまでの調査の分析や研修モデルの開発に主眼をおいて研究を進めてきたが、今後、さらなる調査を重ね、詳細な分析にもとづいた考察を行う。 現在まで、県内管理職候補者、県内教頭、県外2県の教頭からのアンケート調査を実施し、管理職着任前までに必要とされる資質能力や管理職に求められる資質能力について、明らかになってきている。また、それらの結果をもとに研修モデル開発のための実践研修を2年継続して実施し、効果的な研修の在り方を探っている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で遅れた最後の調査を進め、管理職に求められる資質能力や管理職着任前までに必要となる資質能力について、最終まとめをする。管理職候補者研修「スクールリーダー研修」については既に2年間実践したことから、実践的研修としての課題や有効性は検証出来ている。課題として懸念されたことは、教頭試験1次合格者を対象とした1回目の研修後、2回目の研修は2次試験不合格者も一緒に受講することの、不合格者のモチベーションであったが、アンケートからは読み取れなかった。3年目の研修を実施してみて、研修日の配置方法や対象者について再度検討する。 2022年度は研究最終年度でありコロナ禍が継続も懸念されるが、論文を投稿するとともに研究まとめとして冊子作成を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は409645円である。継続するコロナ禍により昨年は1県だけの調査しか出来ず、また計画していた県内管理職(校長)への聞き取り調査がコロナ禍により不可能な状況にあった。県外調査へは通常、県教委が同行し、他県教育委員会からの聞き取りも行っていたが昨年は県外移動禁止の指示が県教育委員会から出されており、県教育委員会関係者は同行できない状況にあった。そのような理由もあり旅費として使用することが出来ずに発生した残金である。 2022年度は他県調査及び県内調査の旅費として活用し、調査研究を充実するとともに、研究まとめの冊子づくりの費用としてあてる。
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