2021 Fiscal Year Research-status Report
戦後関西における子どもと教師の学びの循環‐西田秀雄による絵日記指導を中心に‐
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19K02397
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
勅使河原 君江 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60298247)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 絵日記指導 / 西田秀雄 / 童詩雑誌 『きりん』 / 図画工作教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度、本研究課題において1950年代に京都市立小学校教諭であった西田秀雄が指導した子どもの絵日記資料の整理と内容の検討に取り組んだ。これまでの調査で絵日記の作者である子どもの絵や詩が、1940年代から1970年代まで関西地方で発行されていた童詩雑誌『きりん』に掲載されていることがわかっており、童詩雑誌『きりん』の調査を行い、絵日記の作者の絵や詩が掲載されている号とページのリスト整理に取り組んだ。また、西田は小学校の授業において、童詩雑誌『きりん』を副読本としており、西田が小学校で継続的に行った絵日記指導によって子どもたちの表現力が培われ、そこで生み出された絵や詩の作品が童詩雑誌『きりん』の掲載へと結実しており、童詩雑誌『きりん』に子どもの絵や詩が掲載されたことは、子どもたちにとって制作意欲を掻き立てたと予想される。来年度、絵日記の作者へのインタビューにおいて、西田による絵日記指導を通して、童詩雑誌『きりん』に絵や詩が掲載された経緯やその意義について伺う予定である。 本研究で予定している課題のうち西田が指導した子どもの絵日記資料の収集とデジタルアーカイブ化と西田の絵日記指導の際に副教材として使用していた童詩雑誌『きりん』の資料収集は終了している。来年度は 絵日記の作者への取材を元にして、日記資料の内容分析を継続して行い、総括として絵日記資料と童詩雑誌『きりん』の統合的検討を行う。以上の研究を通して、大人と子供がどのような観点で美術や詩を対話的に学び、学びのプロセスを深めっていったかの解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は絵日記の作者へインタビュー取材し、絵日記を制作した当時の様子や『きりん』に掲載された詩や絵画作品との関連性に関する取材を行う予定であったが新型コロナウィルス感染拡大予防のため対象者へのインタビューを行うことができなかった。しかし、本年度は絵日記の分析を重点的に行なったことにより、西田が子供の視点による世界観をベースにして絵や文章表現することを尊重する姿を読み取ることができた。こういった教育指導の視点で子どもと大人が対話的に美術に向き合い、思考を深めるという知見をもとに、現代の美術教育へ実践的に応用化する取り組みにつなげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に実施を予定していたが未着手であった絵日記の作者へのインタビュー取材に取り組む予定である。併せて、西田秀雄の著書『子供の絵を導く』京都印書館 昭和24年発行、『児童画指導の技術』創元社 昭和33年発行の資料研究を行い、西田の教育理念を分析し本研究の絵日記指導における教師と子供の学びの循環の考察としてまとめ、本研究の総括を行う。
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Research Products
(2 results)