2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02400
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
韓 昌完 琉球大学, 教育学部, 教授 (90599622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 愛子 琉球大学, 教育学部, 講師 (00783218)
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
權 偕珍 宮崎大学, 教育学部, 講師 (90806217)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教育心理学 / 尺度開発 / QOL / 教育成果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学校において用いることのできる教育成果の評価指標として、児童生徒の学校生活を評価するための新たなQOL尺度を開発し、信頼性および構成概念妥当性を検証することを目的とする。その為に、学校教育における教育目標を項目収集の観点として、既存のQOL尺度や学校教育における教育目標などから学齢期の児童生徒の学校生活の評価を行うことのできる項目を収集・研究チームのより検討し、QOL尺度を作成する。 本年度の計画としては、既存のQOL尺度を基にして、生徒指導提要(2010)になぞらえた、教育成果を評価するための尺度試案開発を目的としていた。代表的なQOL尺度として、WHOがQOLの定義と共に作成したWHOQOL-100と健康関連QOLとして一般的に使用されているSF-36、子ども版QOL尺度として一般的に使用されるKIDSCREENを参考として尺度の評価項目を収集した。 項目収集の結果として、教育成果を評価するためのQOL尺度として、児童生徒の「身体」「情緒」「社会・経済」の3領域に対して、計19項目の尺度試案を作成した。「身体」の領域には、食事、睡眠、運動、病気・ケガ、体の痛みの5つの下位領域が設定された。「情緒」の領域には、学習、帰属感、自己肯定感、自己有用感の4つの下位領域が設定された。「社会・経済」の領域には、人間関係、学習、いじめ、お金の4つの下位領域が設定された。「情緒」と「社会・経済」の領域に学習に関する下位領域が設けられたが、情緒面での学習は、学習に対する集中力や興味・関心について評価するのに対して、社会・経済面での学習は、学習活動の実施において、ほかの児童生徒と一緒に取り組むことができたかを評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、初年度までに尺度の試案を作成するまでに至った。生徒指導提要をQOLの項目収集の指針にしたことで、教育分野においても馴染みのある内容を選定することができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
作成されたQOL尺度の試案を基に、尺度項目の表記や構成について専門家ならびに評価対象となる子どもたちに対する確認作業を依頼し、尺度の内容的妥当性を検証する。検証の過程で指摘のあった内容を参考にして尺度試案の修正を行い、実際の評価に使用するために、尺度の説明や例示などを加えて、尺度の質問紙を作成する。 作成された尺度の質問紙を用いて学校現場における調査を実施し、データの収集を行うが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、児童生徒の登校自粛期間があったことから、学校もその対応に追われており、調査の協力打診については慎重に時期を見極めて行う。
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