2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K02400
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
韓 昌完 下関市立大学, リカレント教育センター, 教授 (90599622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 愛子 下関市立大学, リカレント教育センター, 准教授 (00783218)
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
權 偕珍 琉球大学, 教育学部, 准教授 (90806217)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尺度開発 / 信頼性検証 / QOL尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、尺度の評価対象となる、小中学生に対する調査を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学校への立ち入り制限が行われ、また、休校や授業時間の制限もあったことから、調査協力が負担になってしまうため、調査を中止せざる負えない状況となった。協力要請を予定していた自治体と学校における感染症対策が行われ、調査協力が可能な時期を調整した結果、2021年の2月~3月にかけて、沖縄県の中学校1校における2年生の生徒を対象とした調査を実施した。調査にあたり、下関市立大学の研究倫理委員会からの承認を受け、学校長に調査の趣旨を説明した上で、研究実施同意書を取得した。調査の条件として、学期末に授業内容が完遂している授業時間を利用し、調査協力教員により、対象となる学級における調査の許可を頂いた。結果、中学校2年生の4学級において、生徒のQOL評価のため、質問紙法により、計140名の評価データを得ることができた。尺度の項目数19に対して、7倍近い対象者のデータを得ることができたため、本来予定していた、調査分析の予行として、データの分析を行うことができた。統計分析の結果では、尺度全体の信頼性、Cronbach's αが、0.890と高い数値を示した(α>.700)。また、領域ごとの信頼性係数では、身体面:α=0.645,情緒面:α=0.842, 生活面:α=0.709, 学習面:α=0.764となった。信頼性係数は、尺度の質問項目における文言修正などでも大きく差がでるため、本調査に向けて、調査の対象を拡大するとともに、より高い信頼性が得られるよう、質問項目の内容を調整する。今回の調査では、評価対象となる、中学生からの内容的妥当性の検証も同時に実施した。結果としては、9割以上の生徒から質問項目の内容や表現について、不明点はないという回答を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大によって、調査協力の要請を予定していた学校が登校制限を行うなど、調査を実施することが難しい状況があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、調査対象を小学生まで拡大した上で、尺度の信頼性および構成概念妥当性検証のために、データを収集する予定である。現在のデータを用いて行った解析においても、おおむね良好な構成概念妥当性が検証されているが、より正確な分析結果を得るため、項目内容の再検証も含め研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた、出張旅費および学会参加費に関する予算が、次年度使用額となった。翌年度請求分と合わせて、統計解析用のソフトを新規に購入するとともに、調査対象拡大に伴い、データ保管のためのハードディスク等システム環境の整備に使用する予定である。
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