2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K02408
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山下 達也 明治大学, 文学部, 専任准教授 (00581208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 光晴 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, フェロー (00583155)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教員養成 / 日韓比較 / 植民地教育史 / 師範学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本と韓国における教員養成の理念と制度の歴史に着目し、両者を比較・分析することによって、従来、限定的な範囲内での発達史として捉えられがちであった日本の教員養成史の特徴を比較史という視座から再検討することを目的としている。 3年目となる2021年度は、韓国における教員養成の理念と制度に関する日本統治期/「解放後」の連続性に関する研究を進めることに重点を置き、代表者、分担者それぞれが取り組む研究の進捗を、隔月で開催した研究会・打ち合わせで報告を行った。 当初の計画では、国内外での資料調査を行い、そこで得られた資料の分析、検討を経て知見を整理する予定であったが、COVID-19の感染拡大の影響により資料調査を中止・延期せざるを得なかった。そうした状況にあっても、デジタル資料の閲覧、分析の作業を通じて韓国における学校や教員についての研究を進めることができた。 本研究の成果として得られた日本統治期朝鮮における教員の養成についての知見を含む著書(山下達也『学校教員たちの植民地教育史: 日本統治下の朝鮮と初等教員』風響社、2022)を出版できたこと、また、日本統治期の朝鮮で養成された教員らが普通学校においてどのような学校観形成に関わる実践に従事していたかという点について得られた知見を、当時の教員養成の理念にも深く関わるものとして論文(山下達也「日本統治期朝鮮における学校観形成の一側面―普通学校修身書にみる学校の描写と指導の変遷―」『韓国文化研究』2021)にまとめ発表できたことは、本研究課題の重要な成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大の影響により、当初実施を予定していた国内外での資料調査を中止、延期せざるをえない状況であったため。 デジタル資料の分析によって本年度独自の成果を得ることはできたものの、計画の全体としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、COVID-19の感染拡大の状況を踏まえ、また、政府等による渡航の制限や要請、ガイドライン等を遵守しながら調査を再開し、教員養成の日韓比較史研究の可能性に関する試論をまとめる作業に注力する。 代表者と分担者による研究会や打ち合わせを毎月開催するとともに、国内外の関連する研究者との意見交換を行う。得られた成果については学会で発表し、論文にまとまる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、COVID-19の感染拡大の影響により、当初計画していた国内外での調査を行うことができなかったことがおもな理由である。 今後は国や自治体、大学による通知や方針を踏まえ、可能な範囲での資料調査を行う。
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