2020 Fiscal Year Research-status Report
高校生・大学生世代における地域活動への参加促進につながる要因の解明
| Project/Area Number |
19K02416
|
|---|
| Research Institution | Hirosaki University |
|---|
Principal Investigator |
深作 拓郎 弘前大学, 教育学部, 講師 (40389804)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 子どもの参画 / 放課後 / あそび / 社会教育 / こどものまち |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、概ね15歳～18歳の「高校生世代」と概ね18歳～22歳を中心とする「大学生世代」を対象に、彼らが地域社会を舞台に取り組む活動を検証し、主体的な参加と継続的な活動を可能とする原動力を明らかにすることが目的である。
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により、調査対象先がほとんど活動自粛や中止となり、調査が実施できたのは、弘前市での取り組みのみであった。「こどものまちミニひろさき」を企画し、運営をサポートするらぶチアーノ族ジュニアの中高校生世代である。彼らからヒアリングを行い、そこで得られたことを『弘前大学生涯学習教育研究センター年報』第23号（2020年９月発行）に論文として発表した（深作拓郎「中高校生世代の地域参加の促進に関する一考察～『こどものまちミニひろさき』の取り組みから（その２）～」）)。本論文では、中高校生世代の地域参加活動促進の要因として、当事者性・主体性が形成されていくことが前提としてあり、そのためには、「役割を見いだす」「試行錯誤できる」「何でも言える対等な関係性」「自分たちのペースで展開できる」「異年齢交流が促進される」というポイントがあることを明らかにした。自分たちで知恵やアイデアを出し合い、一つひとつ課題をクリアして実践を創りあげていっている。「学び／学習」の枠におしこめるのではなく「遊び」のなかでおこなえることの豊かさをもたらしている。まさしく、「学びのコミュニティ」を自らの手で具体化していることが示唆された。
しかしながら、子どもの主体的参加の機会や空間において、大人の関りについてもの検証まではできなかった。継続して調査を行い、この点についても明らかにしていきたい。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ライブラリーワークでは、子ども若者の地域参加に関する実践の傾向を整理することができた。また、本研究における分析の視座となる「子どもの参画」の理論的・実践的に再整理することができた。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大により、対象団体のほとんどが活動中止・自粛となった。活動を再開した団体もあるが、調査の延期を要請された。そのため地元弘前市での、中高校生世代のミーティング活動しか調査できなかった。
2021年度も、調査の実施が困難であることが想定されるが、各団体の指導者との連絡を取り合い、可能なところから調査を再開させたい。
|
| Strategy for Future Research Activity |
文献の整理を継続していくと同時に、事態の動向を把握したうえでフィールドワークを再開していきたい。フィールドワークは、青森県内2団体、岩手県1団体、宮城県1団体である。
高校生・大学生世代の彼らが、地域参加への継続性をはじめ、子ども観や遊び観をどのように見出しているのか、その過程をフィールドワークから過程を検証していきたい。
|
| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルスの感染拡大により、２０２０年度に計画していた調査がほとんどできなかったからである。これはそのまま２０２１年度の調査研究のための旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)
