2019 Fiscal Year Research-status Report
秋田県の探究型授業を生かして主体的・対話的で深い学びを実現するための方法学的研究
Project/Area Number |
19K02417
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
阿部 昇 秋田大学, 教育学研究科, 特別教授 (80323129)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 主体的・対話的で深い学び / 探究型授業 / アクティブ・ラーニング / 見方・考え方 / 学習集団 / 教材研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、秋田県の探究型授業の特長を教育方法学的に検討することで、主体的・対話的で深い学びの実現の方略を解明する。以下を研究の目的とする。そのために次のことを実施する。 1.主体的・対話的で深い学びの授業は、どういう学力を育てることができるのかを解明する。国語と算数・数学に絞り「見方・考え方」に関 わる教科内容を明らかにしながら進める。/2.上記の教科内容を育てるためには、どのような教材研究がもとめられるのかを解明する。また、上記の教科内容を育てるあたって、なぜ学 習集団の対話、振り返り等が有効なのかを解明する。 /3.上記1~2を生かしながら、主体的・対話的で深い学びを実現するための教育方法・指導方法を具体的に解明する。 /4.上記1~3の解明の際に、秋田県の探究型授業、またそれに準じる全国のアクティブ・ラーニング型授業を収録し分析・検討を行う。教師への聞き取り調査も行う。 上記「4」について校種は、小学校と中学校、教科は国語科と算数・数学科に絞る。また、教師への聞き取り調査も合わせて行う。そして、そこから得られた知見に基づいて、秋田県及び全国の教師とともに主体的・対話的で深い学びの授業を新たに構築し、実践してもらう。それもすべてビデオに収録し、分析・検討を重ねる。聞き取り調査も行う。そのために事前研究から実際の授業収録まで何度もそれらの土地に出向いて共同研究を行い必要がある。 以上を通して質の高い主体的・対話的で深い学びの授業構築の方法を構築していく。「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び 」、それぞれについて実証的で多面的な解明を行っていく。その上で、「主体的・対話的で深い学び実現の方略」試案を作成する。それを複数の教師との共同研究でブラッシュアップした上で最終案を作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、秋田県の探究型授業の特長を教育方法学的に検討することで、主体的・対話的で深い学びの実現の方略を解明することを目的と研究を進めてきた。それについて次のとおりの進捗状況である。 主体的・対話的で深い学びの授業は、どういう学力を育てることができるのかを解明してきた。国語と算数・数学に絞り「見方・考え方」に関わる教科内容を明らかにしつつある。また、その教科内容を育てるためには、どのような教材研究が求められるかについても解明を進めつつある。また、同時に上記の教科内容を育てるあたって、なぜ学習集団による対話等が有効なのかを解明してきた。その際に、日本の戦後の教科教育研究、学習集団研究、アクティブ・ラーニング研究を参照した。また、フィンランド、ドイツ等の研究も参照した。それらを通じ、主体的・対話的で深い学びを実現するための教育方法・指導方法も具体的解明が進んできている。 また、上記解明と関わり秋田県の探究型授業、またそれに準じる全国のアクティブ・ラーニング型授業を収録及び分析・検討も進んできている。また、そこから得られた知見に基づき秋田県及び全国の教師とともに主体的・対話的で深い学びの授業を新たに構築し、実践してもらっている。平成31年度は秋田県の探究型授業について収録、分析・検討を行う予定であったが、次年度の予定であった秋田県外のアクティブ・ラーニング型授業の収録も進んでいる。それに関わる秋田県内、全国の教師との共同研究も進んできている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、秋田県の探究型授業、またそれに準じる全国のアクティブ・ラーニング型授業を収録及び分析・検討をさらに進めていく。また、そこから得られた知見に基づき秋田県及び全国の教師とともに主体的・対話的で深い学びの授業を新たに構築し実践するというプログラムもさらに進めていく。 以上を通して質の高い主体的・対話的で深い学びの授業構築の方法を構築すえる。「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び 」、それぞれについて実証的で多面的な解明を行う。その上で、「主体的・対話的で深い学び実現の方略」試案を作成する。それを複数の教師との共同研究でブラッシュアップした上で最終案を作成す
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Causes of Carryover |
一年目の研究で、授業記録に関する旅費やDVDディスク購入が予定よりも若干経費がかからなかった。そのため9753円が残った。それを二年目の研究の際の旅費の一部として生かしていきたい。 二年目に実施予定であった全国の探究型授業の収録、分析・検討が一年目にかなり進んだ。そのため、三年目の「主体的・対話的で深い学び」の実現方略案の作成を一部二年目に前倒しすることにした。そのための研究費用が前倒しで必要となった。
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