2023 Fiscal Year Annual Research Report
教師の子ども理解・授業の見方の深化を促す授業研究の方法論に関する研究
Project/Area Number |
19K02418
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
杉本 憲子 茨城大学, 教育学研究科, 准教授 (70344827)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 授業研究 / 教師 / 子ども理解 / 自己変革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、教師が自身の子ども理解・授業に関する見方を深化させていくことを促す授業研究の方法について、上田薫の授業研究論および「カルテ」や「座席表」等の研究方法に着目して明らかにするものである。 最終年度の令和5年度は、カルテの記録としての特質に着目した教師の人間理解についての考察を、前年度の研究をもとに論文としてまとめた。また、子ども理解や授業の見方の深化を図る授業研究の実践的展開については、まず、これまで収集した実践者の立場からカルテについて論じられた論考を中心に検討し、実践に生きるということの意味を検討する必要性が着目された。また、継続的な授業研究による教師の子ども理解や授業の見方のとらえ直しと授業改善の取り組みについて検討した。 本研究全体を通して、第1には、上田薫の授業研究論について、授業研究の視点や記録・資料に着目して検討することができた。授業記録の立体化を図り、教師の見方とその変化に焦点を当てることを重視していることが考察された。第2に、教師の子ども理解・授業の見方の深化を促すための具体的な研究方法・ツールの検討を行った。とくにカルテについては、その記録としての特質に着目して、自己変革につながる論理や上田の人間理解ならびに客観性に関するとらえ方を考察することができた。第3は、その実践的展開の側面の検討である。本研究期間に実践者への調査等による研究は実施できなかったが、学校等による著書や実践者の立場からの論考等の収集・検討をおこなった。
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