2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02425
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
羽田野 慶子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 准教授 (50415353)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 婦人教育 / 男女共同参画 / 女性関連施設 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地方自治体の男女共同参画関連事業、および自治体等が設置する女性関連施設(女性センター、男女共同参画センター等)が実施しているジェンダーに関する学習プログラムを研究対象とし、その事業のテーマ、目的、対象と方法、内容、学習の効果、および同時代における政治的・政策的要請との関わりについて、その歴史的展開・変容を明らかにするとともに、プログラムの実践分析を通じて、ジェンダー平等社会の形成に寄与する成人学習プログラムの開発を目指すものである。 2021年度は、国内の女性関連施設への訪問調査、および韓国ソウル女性プラザ等への海外調査を研究計画時当初予定していたが、昨今の事情に鑑み出張を伴う調査を取りやめ、福井県内の女性関連施設に関する調査を中心に行った。 福井県では、1995年に設置された総合女性センターと生涯学習推進センターの複合施設である県直営の福井県生活学習館(ユー・アイふくい)を拠点に男女共同参画学習を実施しているが、2013年度より、学習事業の企画運営をふくい女性財団(公益財団法人)に移行させ、同時に事業内容の大幅な見直しを行った。具体的には、地域女性団体の意向を酌んだ地域づくり人材育成、女性問題学習を削減し、「働く女性の活躍支援」を掲げ、就労女性の職場での地位向上とワークライフバランスの実現、男性向け男女共同参画学習の充実に比重を移した。新しい事業方針が対象として想定している20代~40代の男女は、これまで男女共同参画学習への参加が少なかった層であり、新たな学習プログラムの開発が進められているところであるが、一方で「女性活躍支援」「少子化対策」「若年層の結婚支援」等の国家的男女共同参画政策に一致するテーマに重点化しているのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国内外への訪問調査ができない状況であったため、当初の計画からやや軌道変更し、国内の中心的女性施設、および申請者の居住地に近い地域の女性関連施設を主な検討対象とし、学習プログラム内容の時代による変遷を整理する作業を進めている。また関連するプログラムを実施している他地域の実践報告・評価・分析について、オンラインによる調査を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、婦人教育政策史との連続性の中で、現在の男女共同参画事業の内容を批判的に相対化することにより、社会教育研究・社会政策研究の双方で十分に捉えられてこなかった、男女共同参画政策/事業そのものが内包するジェンダー・ポリティクスを明らかにすることである。 これまでに収集した女性関連施設の学習プログラムの分析に加え、2003年の地方自治法改正により女性関連施設の運営にも指定管理者制度が導入されたことによる施設の運営・企画を担う専門職員の雇用と労働、研修のあり方という観点からも検討を加える。また、男女共同参画政策に関連する自治体の事業の一つとして「結婚支援活動」の実態に関する研究(山田昌弘ら)が先駆的に実施されており、本研究ではそれらを含めて女性政策全体の歴史的展開と関連づけることを目指し、研究の総括を行う。
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Causes of Carryover |
出張を伴う訪問調査が実施できなかったため、国内および海外旅費として計上した予算が執行できなかった。今年度も海外調査は困難な状況が続くと見込まれるため、海外への訪問調査は行わず、文献およびオンラインによる調査に切り替える。国内への出張については、状況を見ながら必要に応じて実施する予定である。
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