2020 Fiscal Year Research-status Report
学校教育と社会教育をつなぐ学習内容と史的展開に関する研究
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19K02428
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
板橋 孝幸 奈良教育大学, 学校教育講座, 教授 (00447210)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 郷土教育 / 郷土化 / 郷土科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、小学校内における昭和戦前期郷土教育実践の各科郷土化から特設郷土科への展開に着目し、学習内容の連続と変容について検討した。事例として、宮城県名取郡中田小学校の郷土教育カリキュラムを検討対象とした。中田小学校は、各科郷土化から特設郷土科への展開を分析できる数少ない事例である。中田小学校には、各科郷土化と特設郷土科に関する詳細な資料が保存されており、具体的に学習内容の連続と変容を検討することができる。なお、各科郷土化とは各教科に郷土事象の内容を組み込んでいく学習方法、特設郷土科とは既成の教科とは別に郷土科という教科を学校独自に設定した取り組みをさす。中田小学校の特設郷土科は、一週一時間で読方もしくは修身の時間を割くかたちで実施していた。 各科郷土化と特設郷土科を比較すると、そこで教えようとしていた内容はかなり重なっていた。各科郷土化として設定した23の内容項目は、その後に作られた特設郷土科にも反映され、全項目が学習内容として組み込まれていた。しかし、各教科に郷土事象の内容を組み込んでいく各科郷土化は国定教科書の内容を色濃く反映するため、国民の三大義務である教育、納税、兵役に関する学習内容が多かった。その一方で、郷土科では中田村で暮らす子どもの実態にあわせて教員が卒業後も村でよりよく暮らしていくために必要な学びを重視したため、農業理解の基盤となる季節の変化や年中行事、行政・産業や学校・社会教育に関連する社会機能についての学習内容に主眼が置かれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定していた研究計画を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの影響で、資料収集・聞き取り調査が困難になっている。調査の実施が難しい場合は、これまでに収集した資料を整理して、今後の研究を進めるための資料分析作業を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、一部予定していた調査が難しかったため。次年度調査が可能になり次第、旅費として使用する。
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