2021 Fiscal Year Annual Research Report
道徳教育における評価の問題―「社会情動的学習」に着目して―
Project/Area Number |
19K02440
|
Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
田中 耕治 佛教大学, 教育学部, 教授 (10135494)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 道徳教育 / 教育評価 / 社会情動的評価 / エスニック・スタディーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、道徳教育における評価のあり方を明らかにするために、おもにアメリカの小学校で行われている「社会情動的学習(Social Emotional Learning:SEL」に焦点をあて、喫緊の課題である道徳評価の内容と方法について示唆を得ようとした。 とりわけ、本研究では、申請者と長年学術交流のある、San Francisco Unified School District の管轄のClarendon Elementary Schoolの協力を得て、「社会情動的学習」の指導と評価の実相とそのあり方を明らかにしたいと考えた。 当 初 計画では、資料収集や授業観察を兼ねて、渡米して、Clarendon 小学校を 訪問し、研究的実践的知見を深め交流する予定であった。しかし、研究期間の三年間はコロナ禍と重なり 、残念ながら直接の交流の機会がかなわず、計画の大幅な変更を余儀なくされた。 その中でも、Zoom というツールを活用して、可能な限り、米国の「 社会情動的学習」の実相を探る努力を重ねた。 最終年度は、過去2年間の蓄積を踏まえて、Clarendon 小学校で勤務されているJunko,Tの協力により、エスニック・スタディーズと社会情動的スキルの発達を視野に入れた、貴重で大部な実践記録とその分析について、最終報告書「道徳教育における評価の問題-『社会情動的学習』に着目して―」(全245頁)としてまとめ、発刊した。そこでは、米国の多文化社会を背景とする「多様化」する社会の中で、いかに「共生」のあり方をめざすのかという問題意識にもとづいて、「社会情動的学習」の可能性とその評価のあり方が報告されており、今後のわが国の道徳教育のあり方と評価の方法について、多くの示唆を得ることができた。
|
Research Products
(2 results)