2019 Fiscal Year Research-status Report
International comparative study of inclusive curriculum
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19K02446
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
新井 英靖 茨城大学, 教育学部, 教授 (30332547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 敦志 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10325136)
湯浅 恭正 中部大学, 現代教育学部, 教授 (60032637)
吉田 茂孝 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60462074)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / カリキュラム / 発達障害 / 貧困 / 参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発達障害児や外国にルーツをもつ子ども、貧困家庭の子どもなど、小・中学校の多様な困難を抱える子どもがアクティブに学ぶことができる「インクルーシブ・カリキュラム」を開発することを目的とするものである。その1年目である2019年度は、インクルーシブ教育におけるカリキュラム研究の課題を明確化することを中心に行った。 その結果、以下の点が明確になった。すなわち、インクルーシブ・カリキュラムに関する先行研究は少なく、その背景に通常学校の特別ニーズのある子どもに対するインクルーシブ授業に関する書籍や論文は多くみられるが、これらは、通常学校の枠組みを問い直すことなく、逆に通常のクラスで展開されている授業にどのようにしたら参加できるかに関するノウハウを示すものが多いことがあると考えた。そのため、「マジョリティの視点から」研究をするのではなく、マイノリティの子どもを中心に据え、学びの主体である子ども自身がきり拓く生活や自立の過程を描き、それを指導していく実践モデルを構築することが重要であると考えた。 次年度以降、こうした視点から研究を進め、国際比較研究を推進する。特に、海外研究については、ドイツやイギリスのインクルーシブ・カリキュラムの実際について明らかにする。また、日本の通常学校および特別支援学校のカリキュラムづくりの実際を明らかにして、日本と欧州のインクルーシブ教育およびカリキュラムづくりを比較し、日本の特徴を明確にしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インクルーシブ・カリキュラムの先行研究を整理し、次年度の研究課題が明確になったため。また、次年度にカリキュラム開発につながる研究成果を公表する見通しがたったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は実際の授業づくりの事例を明らかにし、それを論文や書籍にて刊行することをめざす。
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Causes of Carryover |
初年度2月~3月に予定されていた調査や会議等が新型コロナウィルス感染拡大に伴い中止・延期となったため、出張旅費などに残額が出た。今年度に実施することができなかった調査等については次年度に行う予定であり、その際に繰り越した残額を使用する計画である。
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