2022 Fiscal Year Annual Research Report
RMOの組織形成と自治体社会教育・中間支援機能の構造に関する研究
Project/Area Number |
19K02453
|
Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
櫻井 常矢 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40363775)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | RMO / 地域運営組織 / 中間支援 / 社会教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる令和4年度は、本研究の課題に照らした国内外の先駆事例への訪問調査による情報収集、さらには論文執筆にも取り組んでいる。訪問調査としては、これまでの継続としてRMOの組織形成とそれに果たす中間支援施設や社会教育施設等の役割を模索している自治体、あるいは民間の中間支援組織として新たな事業活動の展開を構想・実践している団体について、那覇市、岡山市、北上市、一関市等での情報収集を行った。 各地では、RMO政策の展開が見られるとともに、担い手不足を打開するための新たな人材の発掘・育成が共通の課題となっている。その意味では、自治体の中間支援機能と地域に根差した公民館等の社会教育施設との連携は重要な視点と捉えられる。一関市では、中間支援施設職員の地域担当制によるアウトリーチ型支援を通して、公民館との連携を意識したRMO支援を展開している。さらに北上市では、行政区長制度廃止に伴い、新たな人材発掘を含むボトムアップ型の地域形成を進めると同時に、行政区長が担ってきた業務を分散させることをによって、RMO(自治振興協議会)や地区交流センター(旧公民館)の重点化を図ろうとする総合的な地域関係構造の組み替えを進めつつある。こうした調査研究の成果については、櫻井常矢「RMOの組織形成と地域政策 ―人材の発掘・育成の視点から―」『地域政策研究』第25巻・第2号(2022年12月、57-72頁)としてまとめている。 なお、本研究の今後のさらなる展開を想定し、日本の公民館類似施設であるCommunity Learning Center(CLC)の設立を契機に地域の自治を創出する海外の事例についても情報収集を進めることに成功している。これらの調査研究によって、RMOの組織形成が自治体社会教育と中間支援機能の連携によってこそ強化される道筋の一端を明らかにすることができた。
|