2020 Fiscal Year Research-status Report
小学校における動物介在教育の空間活用と整備に関する研究
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19K02454
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
亀井 暁子 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 准教授 (80711754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 靖子 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (80460517)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動物介在教育 / 小学校 / 教育空間 / 空間活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,小学校における動物を活用した教育に対応する空間・建築的指針を見出すことを目的としている。その対象は,①学校動物飼育の教育活用に際しての飼育空間と教育空間内のその他空間の利用のあり方,および,②教育支援動物等の訪問型の動物活用に際して整備すべき空間要件の二つの主要パートよりなる。この両者について調査・研究することを通じて,学校での動物飼育の空間,及び児童と動物の関わりの空間に関するガイドライン作成のための基盤を構築することを目指している。 これら二本柱のうちの一つである、「学校動物飼育の教育活用に際しての飼育空間と教育空間内のその他空間の利用のありかた」に関しては、2019年度に実施し一定の知見を得た。2020年度においては、他方の柱である「教育支援動物等の訪問型の動物活用の空間利用状況」に関して調査を進めた。 訪問型の場合、動物の小学校での滞在期間は、極めて一時的なものから一定期間を経るものまで多様な事例があることから、これら滞在期間に応じた調査が必要となることが見出された。それらのうち、動物が一定期間学校に滞在する場合は、小学校外の支援組織の協力を得ながら、動物の小学校滞在時に児童が飼育を担当する事例がみられた。これらの事例における空間活用および運用の状況を把握した。これら調査を通じて、これまで小学校において多く実践されてきた、動物を受け入れて以降その生涯を飼育する場合(以下終生飼育)との比較調査を行う予定であり、そのための準備調査に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の二本柱のうちの一つである、学校動物飼育の際の教育活用に際しての飼育空間と空間利用のあり方の研究に関しては昨年度までの研究において調査・分析・見解提示まで至ることが出来た。二つ目の柱である訪問型の事例について、今年度の研究調査によって、動物の滞在期間に多様な事例があり、それら滞在期間に応じた調査が必要であることを見出した点は大きな進展であった。また、一定期間学校に滞在する場合について、準備調査に着手することが出来たのも良好な進捗であった。しかしながら今年度は年度当初に感染症流行に伴う小学校の休校、およびその後も引き続いて小学校においては感染症予防への配慮を行いながらの教育実践状況であったことから、小学校を対象とした調査の実施は困難であり、準備調査を行うにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問型について、滞在期間に応じた分類に応じて調査研究を実施する。小学校における調査の実践は、感染症の流行状況による小学校の教育状況に応じて、調査の実践そのものについても、また、小学校における動物の訪問型の教育実践についても、平常時とは異なる側面があることから、それらを考慮した調査計画を立てる。一定期間学校に滞在する場合については、準備調査に基づき、本調査の実施を目指す。短期間の訪問滞在事例については、訪問滞在の実施状況に応じた調査計画を立てるとともに、調査を実践する。
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Causes of Carryover |
今年度は、感染症流行の影響により、小学校に赴いての現地調査を実施することができなかった。次年度は、今年度の状況把握を踏まえ、感染症の流行および小学校の状況をみながら今年度実施することのできなかった現地調査を慎重に実施していく予定である。現地調査を実施する場合に調査および調査結果の分析に伴う研究費執行が発生する予定である。
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