2023 Fiscal Year Annual Research Report
イエナ・プランにおける「混合」を用いたインクルーシブ教育に関する研究
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19K02458
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐久間 裕之 玉川大学, 教育学部, 教授 (70235208)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イエナ・プラン / インクルーシブ教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インクルーシブ教育の源流と評されるイエナ・プランについて、草創期にあたる1924年のイエナ大学附属学校における実践の記録と、1927年に出されたイエナ・プランを表題とする主著『自由で一般的な国民学校のイエナ・プラン』の思想を中心に研究を行った。現在、オランダを中心に展開されているイエナ・プランの源流・原点となるイエナ大学附属学校でのインクルージョンの生成と、それを支えるペーター・ペーターゼンの思想をひも解くことが、本研究の眼目であった。当初3年間(平成30年度~令和3年)の予定で実施してきた研究であるが、コロナ禍に巻き込まれ、現地での調査について2年間の期間延長(令和4~5年度)を余儀なくされた。しかし、インクルーシブ教育の基本思想とインクルーシブ教育の源流と評されるイエナ・プラン草創期の思想・実践に関する研究を遂行することができた。研究の成果は「イエナ・プランにおける『混合』を用いたインクルーシブ教育に関する研究」(平成30年度~平成5年度)研究成果報告書(全112頁)にまとめた。報告書の内容は次の5項目からなる。すなわち、①イエナ・プラン思想の概要(主著『自由で一般的な国民学校のイエナ・プラン』を軸に、イエナ・プラン思想の概要をまとめた)、②インクルーシブ教育の基盤となる思想(「サラマンカ声明」に基づくインクルージョンの特質とインクルーシブ教育の類型をまとめた)、③鍵概念としての「混合」(イエナ・プランにおける「混合」と「サラマンカ声明」に基づくインクルージョンの比較を行った)、④インクルーシブ教育実践の萌芽(イエナ大学附属学校における草創期の実践に見られるインクルージョンの特質をまとめた)、⑤今後の教員養成へ向けて(現代日本の教職界の課題を踏まえ、インクルーシブ教育の源流とされるイエナ・プランによる「内的学校改革」が示唆するものを提示した)である。
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