2021 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける愛国心を形成する学校行事・儀式の普及とダイバーシティ教育の起源
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19K02462
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 隆之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60288032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健市郎 関西学院大学, 教育学部, 教授 (50229887)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 帰化プロジェクト / 忠誠宣誓 / 国旗掲揚 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、移民の帰化を主題とする「帰化プロジェクト(Naturalization project)」の授業に注目して、同プロジェクトの最終的な目標に設定された「忠誠宣誓(oath of allegiance)」の意味を、プロジェクトをとおして教え学ばれた国家や移民に対する責任という観点から再解釈した。忠誠宣誓における責任は、①移民のアメリカに対する責任(移民→アメリカ)、②生徒の移民に対する責任(生徒→移民)、③生徒のアメリカに対する責任(生徒→アメリカ)という三層からなることを明らかにした。プロジェクトにおいても忠誠宣誓は基本的に、アメリカ化を推進するものであり、国の維持・発展に貢献する態度や行動を指す。しかし、授業全体はアメリカ化とプロジェクトを交差させて構成されており、愛国と子ども中心を両立させるように工夫されていた。 研究分担者は、19世紀巣に公立学校で国旗掲揚と国旗と国家への忠誠を誓う儀式に着目し、①それが、いつ、なぜ、普及したのか、②それは、公教育の多様性にどのような影響を与えたのかを検討した。南北戦争によってアメリカ人の市民性概念が確立し、多様な人々がアメリカ人になる道を開いたが、国旗崇拝儀式が普及することにより忠誠宣言が排除の機能を果たしたことを明らかにした。また、愛国心教育と国旗の関係について分析し、再建期まではつながりはなかったが、子ども向け雑誌や在郷軍人会による公立学校のへの働きかけにより結びつけられたことを考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により海外での調査ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
可能ならば、海外での調査を行い、研究を締めくくりたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により海外での調査が行えなかったため。海外での調査を実施する。
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