2022 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける愛国心を形成する学校行事・儀式の普及とダイバーシティ教育の起源
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19K02462
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 隆之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60288032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健市郎 関西学院大学, 教育学部, 教授 (50229887)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多様性 / 愛国心 / ソーシャルセンターとしての学校 / 忠誠心 / 国旗掲揚儀式 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、キャンペーン活動や講堂での行事や集団活動を取り入れながらアメリカ市民を育成しようとした「ソーシャルセンターとしての学校」に関するジョン・デューイの検討に注目して、その学校の理論的特徴を解明した。コロナ禍で、多極化―政府の施策・要請は科学的であるから陰謀論まで―と、二極化―たとえば、マスク着用は民主党、抵抗は共和党―という異なる二つの分断が同時進行しているが、それを克服する方法として脚光を浴びている「コミュニティとしての学校」を、その基礎におかれているwelfare(福祉/幸福)という概念から分析した。アメリカ市民を育てる学校の理論を解明した。 全体としては、コロナ感染症の影響で、予定していた研究が行えなかったため、前年度の取り組みを、これまでの研究とからめて深める研究を行った。これまでの共同研究を活かしながら本科研を推進すべく、今後の研究は、文化的多様性を保障しようとした市民形成の実態と結果に焦点化して、愛国心を形成するダイバーシティ教育について理解を深めることとした。国家への忠誠と服従を求めたジョセフ・リーとデューイの市民性教育論の比較や、愛国心教育と「よい市民」の形成にかかわる学校行事・儀式や授業の実態解明を通して、異質な者が国家への忠誠心を養いつつ共存しうる学校教育の論理について、研究分担者はアメリカ化と画一化の実態を、研究代表者は多様性を承認する教育の方向性をそれぞれ考察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染症の影響のため、予定していた海外での調査研究を行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者と研究分他者はこれまで、多様性と統一性、共生と愛国心という対立的とされる側面から考察をそれぞれ分担して検討してきた。それを一つにまとめて新たな知見を導きだし、公表する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響で海外での調査研究が行えなかったため。予定していた海外調査を行うか、研究成果の公開を書籍にて行う費用にあてる。
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