2020 Fiscal Year Research-status Report
教育実践へのリフレクションを通じた教師・保育者の継続的な学びのあり方に関する研究
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19K02463
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
村井 尚子 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (90411454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 哲人 大妻女子大学, 家政学部, 講師 (70571884)
阿部 直美 京都女子大学, 教職支援センター, 特任教授 (00411455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保育のリフレクション / 保育者の専門性 / 教育的タクト / ペダゴジー / 教師・保育者の感情 / 教育のパトス的側面 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、科研費をいただいての保育現場、教育現場での研究に大きく影響が出た。新潟県や山梨県の現場に出張しての実証的な検証が難しい中、zoomでの検討会や勉強会を通じて、なんとか研究を続けることができた。具体的には、2020年8月22日、2021年2月27日にzoomを用いて、研究協力園全体での現状報告と研究進捗報告会を実施した。各園の園長及びリフレクションのマネジメントを行なっている「リフレクション・リーダー」が参加し、活発な話し合いが行われた。 学会発表は、日本保育学会及び日本乳幼児教育学会での発表は行ったが、当初予定していたニューヨークや環太平洋乳幼児教育学会での国際学会での発表は行えなかった。 その分、文献研究には時間をかけて取り組むことができた。もっとも大きな成果は、日本教育学会の機関紙『教育学研究』に、依頼論文ではあるが査読付きで掲載をしていただいた。それに加えて、『京都女子大学発達教育学部研究紀要』、『京都女子大学教職支援センター研究紀要』にそれぞれ1本ずつ投稿し、現象学的なリフレクションの意義についての原理的な考察については一定の成果を出すことができた。ただし、保育園でのリフレクション、学校現場でのリフレクションの実践研究の考察は今年度は論文として発表することができなかった。 研究成果は、論文として発表する他に、現場の保育者、教員にとってリフレクションを行うことが可能となるような文献を刊行することで広く国内の現場にリフレクションを広げることができると考えている。現在出版の準備が進んでいるが、執筆に関しては途中段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い、現地での調査が大変難しい状況となった。緊急事態宣言の発出に伴い、所属期間から出張が禁止されたため、新潟県、山梨県、東京都、滋賀県の現場に赴いて保育者へのインタビューや保育の参与観察を行うことが難しかった。また、海外で行われる国際学会も中止・延期となったため、研究成果を発表することができていない。原理的な研究は行い、論文は3本発表し、国内学会での発表も2本行ったが、やはり現地での調査と研究、国際学会での発表ができなかったことは研究の進捗に遅れをもたらす結果となってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終年度の予定であったが、令和4年度まで研究期間を延長することを予定している。具体的な研究推進の方針は以下の通りである。 令和3年度は、リフレクションの理論的な基盤となっているヴァン=マーネンの現象学についての研究を集大成させ、書籍として刊行する予定である。また、保育現場の保育者、管理職に向けてわかりやすい「保育のリフレクション」の入門的な書籍を執筆し、今年度中の出版をめざす。現在、毎回リフレクションの経緯を記していただいているリフレクションシートのデータ入力と解析を進めており、この研究結果を論文として発表する。ただし今年度も新型コロナウイルス感染症の早期収束は見込めないのであれば、新潟県、山梨県、東京都、滋賀県の保育現場における参与観察とインタビューおよびその分析は次年度に回さざるを得ない可能性がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、新潟県・山梨県・東京都・滋賀県の研究協力園への出張が限定され、当初の計画より旅費交通費が減額となった。さらに、ニューヨークで開催される国際学会での発表を予定していたが、こちらも延期となってしまっており、学会参加費、旅費交通費がそのまま残っている。この金額に関しては、令和3年度に機能の高いコンピュータを購入し、研究協力先から送っていただいたデータの分析のために使用する予定である。
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