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2023 Fiscal Year Research-status Report

社会正義のための多文化教育のプログラム開発と実践

Research Project

Project/Area Number 19K02470
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

青木 香代子  茨城大学, 全学教育機構, 准教授 (00793978)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森茂 岳雄  中央大学, 文学部, 教授 (30201817)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywords多文化教育 / 社会正義のための教育 / 抑圧 / 特権性
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、これまで文化的差異に関する多様性に焦点があてられがちであると指摘されてきた多文化教育を批判的に捉え、あらゆる差別・抑圧に対して行動していくための知識とスキルを身につけることを支援する社会正義のための教育(Social Justice Education, 以下SJE)に着目し、その理論的研究及び実践開発を行うものである。これまで本研究では、SJEにおける理論の検討や、アメリカの高等教育、及び小学校で教鞭をとっている教師へのインタビュー調査等を通して実践における課題について検討した。さらに、2022年度は、研究代表者の青木が担当している授業の批判的検討から、マイクロアグレッションに焦点をあてた授業実践を開発した(青木2023)ほか、SJEのスタンダードの分析を行い、SJEの教師教育における課題を示した(森茂・青木2023)。
2023年度は引き続き、アメリカにおける社会正義のための教育実践の研究を進め、特権性を持つ教師がどのようにSJEを実践できるかについて検討した(青木、2024)ほか、抑圧の具体的な分析を通した実践開発を行った(青木、2024出版予定)。また、引き続きSJEの実践開発に向けて、特にエスニック・スタディーズや、教師教育、インターセクショナリティに焦点をあて、アメリカの高等教育及び小学校においてSJEの実践に関わってきた教育関係者へのインタビューと学校訪問を行った。
2023年度を最終年度の予定であったが、共同研究者が続けられなくなってしまった事情があり、2024年度はこれまでの研究をまとめて報告を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2019年度は、これまでの多文化教育に対する批判的検討及びSJEにおける基本的な理論を整理した。2020年度は、SJEにおける理論に特に関連性の強い理論、具体的には批判的人種理論やブラック・フェミニズム、インターセクショナリティ、ホワイトネス研究等を検討し、アメリカの高等教育における実践と課題を考察した。2021年度は、SJEのスタンダードの検討を行うと同時に、アメリカの小学校においてSJEを実践している教師へのインタビューから、SJEにおける理論と実践の課題について検討した。2022年度は、青木の担当する授業におけるSJEの実践として、特にマイクロアグレッションを取り上げ、身近に起こりうる差別であるマイクロアグレッションの批判的分析やその対応について考える授業構想を提示した(青木2023)。そして2023年度は、引き続き、青木の担当する授業におけるSJEの実践の検討として、これまで学校教育で行われることの多かった「ちがいのちがい」のアクティビティに参加した学生のインタビューを分析し、抑圧を具体的に分析できるようにするための概念を紹介したうえで、新たな授業改善案を提示した。(青木2024出版予定)。
これまでの研究成果をまとめる予定であったが、2023年度末に共同研究者が続けられなくなってしまったという事情により、研究期間を延長して、2024年度にこれまでの研究をまとめ、報告書を作成する予定である。

Strategy for Future Research Activity

2021年度、2022年度は新型コロナウイルスの影響により調査のための海外渡航が難しく、研究期間の延長を申請した。2023年度には9月と2月にカリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアにおいて調査を行うことができたが、いずれも調査期間は短く、他の調査地に行くことができなかった。しかし、複数回にわたる学校訪問やインタビュー等により、これまでの研究成果をまとめるための調査はできたと考える。
そのため、2024年度を最終年度とし、これまでの理論的研究、及びカリキュラムの検討・整理を行うとともに、これまでに行ったインタビュー調査をまとめた報告や授業構想をまとめ、異文化間教育学会等において研究発表を行い、参加者やインタビュー協力者からの助言を得て報告書を作成する予定である。

Causes of Carryover

2023年度より新型コロナウイルスの影響による海外渡航の制限が解除されたため、調査のための渡航についても再開することができたが、共同研究者が続けられなくなってしまったという事情により、再度研究期間の延長を行い、これまでの研究成果をまとめることとした。研究成果報告作成にあたって、異文化間教育学会等において発表による報告を行う予定であるため、学会参加のための国内旅費、より最近の状況について調査が必要になった際の書籍代、調査協力者へのフォローアップのインタビューが必要になった際の謝金、報告書の校正・印刷等に使用する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 社会正義のための教育における抑圧と特権性-アメリカにおける理論と実践の展開-2024

    • Author(s)
      青木香代子
    • Journal Title

      茨城大学全学教育機構論集 グローバル教育研究

      Volume: 7 Pages: 25-40

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 「ちがいのちがい」のアクティビティから考える多様性と差別・抑圧 ―大学における社会正義のための授業実践にむけた課題―2024

    • Author(s)
      青木香代子
    • Journal Title

      国際理解教育

      Volume: 30 Pages: 6月出版予定

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] アメリカにおける第二次世界大戦をめぐる「和解」にむけた教育実践-真珠湾攻撃・日系アメリカ人・強制収容-2023

    • Author(s)
      森茂岳雄
    • Journal Title

      異文化間教育

      Volume: 58 Pages: 7-23

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「ちがいのちがい」のアクティビティから考える多様性と差別・抑圧―大学における社会正義のための授業実践にむけた課題―2023

    • Author(s)
      青木香代子
    • Organizer
      異文化間教育学会第44回大会
  • [Book] 国際理解教育と多文化教育のまなざし―多様性と社会正義/公正の教育に向けて―2023

    • Author(s)
      森茂岳雄(監修)、川﨑誠司・桐谷正信・中山京子(編著)
    • Total Pages
      480
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      9784750355719

URL: 

Published: 2024-12-25  

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