2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploring employability development processes of visually disabled persons and developing and verifying ability development programs.
Project/Area Number |
19K02471
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
竹下 浩 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30629671)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 障害者就労支援 / スキル開発 / 視覚障害者 / グラウンデッド・セオリー・アプローチ / 訓練プログラム開発 / 社会的アウトカム / アクションリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】(1)「視覚障害者の就労スキル開発を可能にする上司・部下関係」研究については、残っていた「一般企業と特例子会社の本人分析」の分析を進め、結果を学会で発表(8月:日本教育心理学会)した。これで訓練プログラムのコンテンツ準備を完了することができた。 (2)「概念的スキル」についてはスキル自体の訓練が存在せず、新たに開発する必要があることが判明した。新型コロナウィルス感染拡大を勘案、年度の前半は調査協力者の安全を確保できるウェブ会議方式の「概念的スキル訓練」検討に専念した。その結果、「晴眼者のスキーマを移植する」(段階的な俯瞰・取捨選択と再構成・複数作業の並行把握)と「概念生成」(9種類のビジネスで常用される図解を触覚で理解・作図)の2タイプの教材を開発することができた。開発しただけでなく、年度後半の早々にモニター応諾者に実際に訓練を受けてもらい、そこで得られた知見を学会で発表した(10月:質的心理学会、11月:日本応用教育学会)。これらの教材をウェブで公開した。 (3)グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を社会科学で用いる場合の基準を考察し、学会等招待講演(8月:関東甲信越盲学校進路指導教職員研修会、9月:産業・組織心理学会第36回大会ワークショップ、11月:第59回全国学生相談研修会、3月:第1回 JAIOP研究力向上セミナー)や論文(11月:経営行動科学)で普及した。考察を深めた結果、「領域密着理論の結果図を用いたアクション・リサーチ」という新たな検証方法を導出できた。 【意義・重要性】他のスキルと異なり概念的スキルは既存訓練が無く、訓練開発が急務である。教育心理学の知見を基に教材を開発、実際の使用により改良の手掛かりが得られた。障害の事情により少人数のため検証方法が課題となっていたが、次年度の効果的推進に資する知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」のうち、「視覚障害者の就労スキル獲得プロセス理論の生成については、全体モデルに加えて、分析焦点者別分析も終了した。これにより、全盲/弱視、特例子会社/一般企業の現場で当事者と支援者が分析結果を活用する際、より具体的な支援が可能になる。「スキル訓練教材の開発」についても、当初予定していた「領域密着理論の結果図」の訓練について効果検証手法が準備出来た。「概念的スキル」訓練についても、希望者に応じて実施、知見を蓄積する準備が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
市販の上場企業リストに基づき、「視覚障害者のスキル開発を可能にする上司・部下関係」訓練調査協力者を募集する。「全盲者が図で考え・説明する」訓練についても、希望者に応じて実施して行く。
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Causes of Carryover |
消耗品未使用分を、次年度消耗品で使用する。
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