2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on institutional design and regional acceptance in modern education policy: The conflict between the broad-based culture administration and the local realities
| Project/Area Number |
19K02477
|
|---|
| Research Institution | Hiroshima University |
|---|
Principal Investigator |
小宮山 道夫 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 准教授 (60314720)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 教育史 / 学力論 / 地域 / 青年 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人口分布と動態に注目しながら教育政策の地方における受容過程について実証的に考察することである。具体的には1886(明治19)年から1894(明治27)に存在した高等中学校と尋常中学校との接続関係（アーティキュレーション）の形成過程及びそれを通じて教育政策の定着過程、学校水準の整備過程という、従来未解明だった課題を解決することである。
本研究では第三高等中学校を事例にしながら、これまで明らかにした他区域の研究成果をふまえ、西日本各地の尋常中学校関係資料との比較考察を通じて、高等中学校の教育政策的意図および近代教育制度史上の役割、そして学校間接続関係の形成過程を明らかにする。
第三高等中学校関係史料および西日本各府県の関係尋常中学校史料を用いて、(1)各尋常中学校の教育内容とそこで要求された学力水準の把握、(2)教員のレベルと教育内容との対応関係の把握、(3)これまで明らかにした他の高等中学校と尋常中学校の生徒集団の関係と、第三高等中学校のそれとの比較検証、これらを通じて地方における学校間の連携関係の推移および中央の教育政策との関係を考察する。
本年度も計画していた資料調査が実施できなかったものの、関連文献の収集・整理と研究環境の整備を進めている。学会発表し投稿していた「加能越三州の学生寄宿舎『久徴館』及びその同窓会組織に関する考察」が査読雑誌に掲載されることとなった（掲載は来年度）。また、関連資料として第三高等学校の校友会誌『嶽水会雑誌』、『諸官立学校受験者必読入学試験問題答案』等、当該期の文献を入手することができた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響が大きく、昨年度に実施できなかった各地域（京都・奈良・和歌山（令和元年度計画）、徳島・香川・愛媛・高知（令和２年度計画）、鳥取、島根、山口、岡山、広島（令和３年度））の調査を今年度に実施する予定で今年度は計画を立てていたが、その計画も実行できなかった。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本報告書を書いている時点でコロナウィルスのオミクロン株「BA.4」と「BA.5」の感染が確認されはじめており、今後「BA.2」からの置き換わりが進むと予測されるなど引き続き予断を許さない状態である。
しかしながら３月に第６波がピークを過ぎて以降、海外からの入国制限枠の拡大など、政府による行動制限の緩和が進んでおり、個人的にも３回目のワクチン接種を終えていることから、これまで実施できなかった各地域（京都・奈良・和歌山（令和元年度計画）、徳島・香川・愛媛・高知（令和２年度計画）、鳥取、島根、山口、岡山、広島（令和３年度））の調査を可能な限り実施することで挽回したい。
ただしこれまでの調査の進捗状況を考えると本年度を最終年度とすることは不可能であり、計画期間延長を前提に計画を遂行する予定である。
|
| Causes of Carryover |
研究費の大部分を占めている資料調査旅費の執行ができなかったため。
コロナワクチン３回目接種を終えたので今後大がかりな調査旅行を実施することで研究を進捗させる予定であり、次年度使用分と令和4年度請求した助成金とを合わせて調査旅行費用に使用する。
|
