養護訓導養成制度に関する歴史的研究―戦時下におけるケア専門職養成の変容―

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K02480
• Research Institution: Nayoro City University
• Principal Investigator: 三井 登 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (50455002)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 学校衛生 / 養護訓導 / 看護婦 / 養護訓導養成 / 国民学校

Outline of Annual Research Achievements

本年度は、前々年度同様、戦時下の看護婦不足の実態を把握するための、軍部の対応と厚生省の施策に基づく看護婦不足の実態を把握するための調査を計画していた。また、前年度の調査課題として位置付けていた、看護婦不足と養護訓導の量的確保の関係を明らかにするための行政文書、養成施設文書などの資料調査も予定してた。さらに、本年度の研究課題である養護訓導養成所の教育課程、とりわけ戦局悪化に伴う教育内容の軽減、養成期間の短縮、臨時講習会による資格速成付与などに関する資料、試験検定による資格付与の関係資料の収集を予定していた。
しかし、この間の新型コロナ蔓延状況により、各種図書館の外部利用者の利用制限が実施されたことで、調査を進めることが困難となった。特に、北海道大学附属図書館、同大学医学部附属図書館は、研究を進めるうえで主要な役割を担ってきたが、コロナの蔓延状況の影響で、学外利用者の制限により研究を進めるにあたって大きな影響を受けた。
資料調査ができない状況下で、前年度に引き続き、以前収集した資料の整理を行った。北海道内の公共図書館で利用者制限の緩和が行われ、かつ学校衛生関係資料の所蔵と閲覧が可能と確認できた函館市立図書館で資料調査を行った。当時の地元の小学校資料を閲覧することができた。ただし、養護訓導に関する資料について研究上の成果を得ることはできなかった。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

3年連続して、新型コロナ感染の蔓延状況を受けて、各種図書館の外部利用の停止・制限などにより、資料の閲覧をすることができなくなったことによる。
また、所属学科におけるコロナ対応の責任者となり、所属学科の授業を含めコロナ対応のための諸業務の調整や対応に追われ、研究時間を大きく削がれたことによる。

Strategy for Future Research Activity

文部省関係の資料、衛生関係雑誌資料を基礎としつつ、当初計画通り養護訓導養成施設、試験検定関係資料を中心に研究を進める。また、看護婦動員の実態に関する公文書、看護婦資格取得者と女性の社会進出との関係から、養護訓導を位置づけるための関係資料の調査を進める。学童疎開における養護訓導の役割に関する資料も収集する。
この間、コロナの影響を受けて資料調査を予定通り進めることができなかった影響で、複数年で予定していた研究計画を本年度で進めざるを得なくなった。そのため、上記の研究課題のうち、養成施設と検定試験制度については優先して取り組むことにする。

Causes of Carryover

当初予算の内、資料調査のための旅費等消化できなかった。今後予定していた資料調査の旅費と複写費など次年度予算として計上することにした。