2020 Fiscal Year Research-status Report
ワークライフバランスに関する共通課題の発見に向けた省察・対話・学習の構想
Project/Area Number |
19K02483
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
池谷 美衣子 東海大学, 現代教養センター, 講師 (00610247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 貴公 都留文科大学, 教養学部, 准教授 (90572553)
堀本 麻由子 東洋大学, 文学部, 准教授 (70512630)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ワークライフバランス / 社会教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ワークライフバランスをめぐる学習が、自分自身の抱える困難やその解決に資する学習にとどまらず、自分とは異なる労働と生活を生きる他者の経験を参照することで、自分の現状を相対化し、労働と生活のあり方の多様性から共通課題を見出していくような学習の可能性を考究することを目的とするものである。そのために、従来のワークライフバランスに関する研究では対象となりにくい属性・領域に着目し、その人たちの労働世界や生活世界、それらを支える労働観や人生観などを具体的に明らかにする調査研究に取り組んできた。2年目になる本年度は、①障害者(・支援者)、②第一次産業従事者、③移住者等(UターンやIターン・若者の仕事起こしなど)の3つの属性・領域を対象にして、現地調査・インタビュー調査を実施する予定であった。 しかし、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、現地調査・インタビュー調査の実施の見通しが不透明な状態が続いた。そのため、本年度は調査可能性を探りつつ、本研究課題をより俯瞰して課題を再設定し、理論的検討を中心に取り組むこととなった。具体的には、社会教育研究における企業内教育・職場における教育学習の再整理、労働以外の地域社会を主たる対象にしてきた社会教育の概念や範疇の変遷の検討などである。 また、研究テーマに関連した英語論文・書籍の執筆刊行による海外発信のほか、日本社会教育学会におけるワークライフバランスをテーマにした集団的な研究活動の運営や議論の場の設定、NPOや法人が主催する関連テーマのオンライン企画への参加や登壇などを通じて、情報収集や議論を深めた。 次年度の調査可能性も未だ不透明であることから、研究計画を修正して最終年度に臨む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年間の研究計画のうち、昨年度の準備期間を経て、本年度から現地調査・インタビュー調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、調査実施の見通しが立たない状況が続いた。特に、研究代表者・分担者ともに首都圏在住であり、想定していた第一次産業従事者(北海道における酪農家)や移住者等(研究計画段階では西日本に複数候補)への調査は断念せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度となる予定であるが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、現地調査・インタビュー調査の見通しは依然として不透明である。また、現時点では本研究課題に関する研究期間の延長申請は想定していない。したがって、研究計画を変更する方向で研究分担者と協議を行う。具体的には、調査が実施できない場合でも本研究課題が着実に進展するよう、本研究課題をより大きな枠組みに位置づけ、理論研究として拡充させる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により現地調査・インタビュー調査が実施できなかったために、次年度使用額が生じた。次年度が最終年度になるが、調査の実施可能性が未だ不透明のため、研究計画を一部変更して理論研究を充実させる予定である。文献調査の拡充のために、研究分担者との分担内容の変更および分担金の見直しを図る計画である。
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