2021 Fiscal Year Research-status Report
To Build a Sustainable City through Civic Engagement Generated from Learning
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19K02489
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
山川 肖美 広島修道大学, 人文学部, 教授 (40284137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 緑 明治学院大学, 社会学部, 教授 (10339575)
三浦 浩之 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 教授 (80157437)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シビック・エンゲージメント / 学びから始まる地域づくり / まちにある学習装置 / 学習の社会的・個人的成果市民参画 / 学びとまちづくりの循環 / 市民参画 / 学習都市 / 学びにおけるDX |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には主に2つの面で進展がみられた。いずれも研究枠組の第2フェーズ(まちに広がる学習装置によってシビックエンゲージメントが生まれるメカニズム)の解明と第3フェーズ(市民と行政の協働のメカニズム)の解明準備へ繋がる研究である。 1つは三浦を中心とした神戸市での現地調査とWEB調査の実施である。ここでは、学習装置としてデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)を取り上げ、KIITO主催の「+クリエイティブミーティング」と「+クリエイティブゼミ」参加者へのアンケート調査等により、学びと交流を通して神戸市の有する行政課題・社会課題の解決に市民(参加者)の力がいかにまちに還元され、その還元への関与を通して市民(参加者)にいかにシビックエンゲージメントが育まれているかが明らかにされた。併せて、神戸市民対象のWEB調査(10代~70代男女1,200名)を実施し、KIITO参加者との比較やKIITO等学びの場での学習成果としてのシビックエンゲージメントの有り様が把握・分析された。 もう1つは山川を中心とした広島県での調査研究である。県立生涯学習センター主催の「広島版学びから始まる地域づくりプロジェクト」(ひろプロ)に参画する市町で学習支援者と事業参加者に対する調査を企画した。しかし、コロナ禍の影響で現地事業はすべて中止となりオンデマンド配信に転換した1事業のみ予備調査的にアンケートを実施、アンケートの有効性を確認した。一方で、ひろプロ実現の為の研修で受講者アンケートを実施し、学びを地域づくりに活かす仕組みとしての有効性と実装における学習支援者に必要な資質について把握・分析をした。 以上の研究は、山川・坂口・三浦のオンラインによる研究会合を重ねる中で遂行できたものである。また3月にはオンラインで本科研のテーマに関連する研究者・実践者を交えて研究成果の中間報告会も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の到来により、研究の目的に到達するためのアプローチを、海外都市における現地調査から国内都市における現地調査へと変更をし、調査枠組みの再編成を重ねてきた。しかし、新型コロナウィルス感染防止に対応した所属大学のルールにより県内外の出張もほとんど叶わず、方法論を模索する1年となった。 模索した結果として、WEB調査を導入するなど方法論に拡がりは生まれたが、変更や拡張により研究協力機関・研究協力者自体や依頼内容を変更せざるを得ず、それに伴う時間と労力が予想以上に必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定であれば今年度をもって本研究は一区切りする予定であったが、コロナ禍の影響により研究のフレームの再編成を何度も重ね、その都度、研究協力機関・研究協力者自体や依頼内容を変更せざるを得なかった。また、再編成したフレームの下で実施する予定であった調査で未実施あるいは遅滞しているものもある。そこで、1年間の研究期間の延期を申し出て、許可をいただいたところである。 2022年度においては、第2フェーズにおいて取り残している課題(まちに広がる学習装置によってシビックエンゲージメント等が育まれる仕組みの再定位とその仕組みを推進する上での学習支援者の役割)と第3フェーズであるシビックエンゲージメントが機能するまちにおける行政側からの働きかけによる協働のまちづくりの進展と協働のまちづくりが生む学習装置の所在とその特徴の把握に努めたいと考えている。また、2021年度より坂口緑が参画している学習都市に関する国際共同研究への貢献も想定している。 研究の成果は、それぞれの所属する学会ならびに本科研で主催する研究会で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、研究期間の1年目、2年目、3年目にそれぞれ実施予定であった国内外の都市での現地調査の大部分が未実施となり、それに伴い、各年度の予算が大きく残っている状況である。 状況が許せば、より多くの国内外での現地調査の遂行に活用したいと考えている。また同時に、WEB調査の実施や国内都市を増やしての調査の実施(対象都市の変更もあり得る)、研究成果の公開・共有の強化等を使用計画として構想している。
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Research Products
(12 results)