2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of gerontology education for Fourth Age assuming social capital
Project/Area Number |
19K02512
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
細江 容子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (30272876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 いずみ 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (20407216)
高橋 桂子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
大澤 朋子 実践女子大学, 生活科学部, 講師 (70631985)
越山 沙千子 実践女子大学, 生活科学部, 助教 (80823856)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジェロントロジー教育 / Fourth Age / 社会関係資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学と地域社会との共同・共働により生涯学習の場面で、地域住民のために新鮮で十分に吟味、加工されたSuccessful Agingにかかわる情報をジェロントロジー教育のプログラムを通じFourth Ageに提供しようとするものである。 その教材は、生涯学習の場で役立てる方法とそのシステムを構築・展開する中で、柔軟で多様な社会関係資源を地域に創出することで、地域の高齢者の心身の健康を向上させ、地域の高齢者の「プロダクティブ・エイジング(Productive Aging)」を醸成することであり、高齢者が精神的にも肉体的にも健康を保持し、個人の生活においても社会に対する貢献においても生産的な生活を送ることを目指した社会科学的研究成果を収集した。 今回University of Texas Health Science Center at San AntonioとUTSA East Asia Instituteの協力のもとに、プログラム展開への方向性を模索した研究知見から、その成果をプログラムに盛り込んだ。今回は、大学と連携関係にあるH市の協力のもと「プロダクティブ・エイジング(Productive Aging)」といったFourth Ageの肯定的高齢者像と、新たなる生活文化生成による、社会関係資本創出を想定した、ICT学習とその利用による生涯学習を行うことで、ジェロントロジー教育のプログラムの展開されることを目標とした。そのプログラムは、地域の高齢者に対して対面での講義を通じて提供されるものであり、毎年、本学学生がプログラムの受講者へのサポートとして参加し、寄り添った丁寧な指導が好評となっていたが、今回の講座はコロナ禍であり、日野市のシニア世代を対象に「ウェブシニアパソコンカレッジ@実践女子大学 人生100年時代の新たなシニアへの変身」をウェブ講座形式で開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本講座はFourth Ageのパソコン初心者向けとして講座を開催している。毎年、本学学生が講座参加者へのサポートとして参加し、高齢者に寄り添った丁寧な指導が好評となっており、講義の合間にはティーブレイクを設け、学生と参加者の交流が行われ、双方にとって楽しいひと時を提供する中で、学生と地域の高齢者の社会関係資本、すなわち第一の要素であるネットワーク、つまり人と人とのつながり、 第2の要素である規範(「お互い様」あるいは「情けは人のためならず」といった言葉で表現される規範)である「互酬性」規範、 第3の要素である信頼関係を醸成し、学生を通じての大学と地域との関係の活性化を図ることを想定していた。しかし、今年はコロナ禍のためウェブ開催となり、十分なプログラムの展開と教育・研究活動を実施することが出来なかった。2023年度は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みながら対面での教育プログラムの実施とその成果に関わる調査・研究の実施を検討しているところである。 また、今回University of Texas Health Science Center at San AntonioとUTSA East Asia Instituteの協力のもとに、プログラム展開への方向性を模索した研究知見からその成果をプログラムに盛り込んだが、コロナ禍により協力大学での教育・研究実績が十分ではないことが報告されいる。さらにアメリカの協力大学での対面での講義や実習を行うことが出来ない状況により教育・研究が十分ではなかったことも研究が遅れている理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、新たに獲得した研究費につながる「ジェロントロジー教育のさらなる展開をはかり、高齢者のSocial Capitalの醸成とwell beingの獲得」を目指していくことが、その推進方策と捉ている。若者と異なり情報格差の大きい高齢者においては、インターネット等での情報収集とその活用、配信が高齢者のSocial Capitalの醸成とwell beingの獲得を高め生活の質の向上にもつながる。高齢者の情報格差を無くし、社会と繋がりその生活の質を高めていくことが、コロナ後の人生100年時代の課題となると考える。したがって、今後ジェロントロジー教育の進展が進むアメリカの大学の研究機関との研究協力・協働により、コロナ禍で遅れている教育・研究を進展させて行きたいと考える。また幸い「第12回IAGGアジア/オセアニア国際老年学会議(IAGG-AOR2023)」が日本で開催されることから、ジェロントロジー教育に関するアジア/オセアニアにおける情報収集も可能となり、今後の教育・研究の展開に役立つものと考えられ、その成果も盛り込んで行く予定である。
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Causes of Carryover |
これまで受講生に対して配布する分かりやすい講習用の資料を作成し、日野市のシニア世代を対象に「シニアパソコンカレッジ@実践女子大学 人生100年時代の新たなシニアへの変身」を開催してきた。また、受講高齢者に対しそのサポートのために個々の高齢者に対して学生を配置し対面での講義・講習を実施してきた。しかし、コロナ禍により対面での受講において、コロナウイルスによる重症リスクの高い高齢者に対して、ウェブサイトでの資料公開講義となった。そのため、講習用の資料作成代、高齢者サポート学生へのアルバイト代が不要となり、予定計上予算が使用できず、次年度使用額が発生することとなった。さらに、講義受講高齢者に対してアンケートを実施し、実施成果と今後の課題を分析することが不可能となったことも次年度使用が生じた理由として挙げられる。 次年度は2022年度に対面で実施できなかったが「シニアパソコンカレッジ」の運営費、参加者へのアンケートおよびその分析費用に充てる予定である。
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