2021 Fiscal Year Research-status Report
教師の組織的な学習を通したカリキュラム・マネジメント能力の開発に関する実証的研究
Project/Area Number |
19K02513
|
Research Institution | Shirayuri University |
Principal Investigator |
中田 正弘 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (20527345)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町支 大祐 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40755279)
坂田 哲人 大妻女子大学, 家政学部, 講師 (70571884)
荒巻 恵子 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80743070)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | カリキュラム・マネジメント / 教員の能力開発 / 研修プログラム / 組織マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①教科間の関連を図った授業運営に学校全体で取り組んでいる海外事例の調査、②国内で先進的にカリキュラム・マネジメント研修に取り組む教育委員会・学校を対象に、その実態と個々の教師の能力開発への影響、校内での取り組み等の調査、③教育委員会・協力校との協働により、校内研修を核とした教師の組織的な学びを通じて、教師一人一人がカリキュラム・マネジメント能力を開発していく過程、要因、方法を明らかにし、校内研修のモデルを検討・提案する、の3点である。本年度は、③に向け、②を中心に研究を進め、加えて①に関してオランダの初等中等教育機関の校長等へのヒヤリングを実施してきた。 ②については、教育委員会等の研究奨励を受けカリキュラムマネジメント研究に取り組んできた学校を訪問調査し、その結果を「カリキュラム・マネジメント実践を支える要因とその課題~教師の意識調査から~」として整理し、2021年10月に日本教師教育学会で報告した。さらに、研究論文『カリキュラム・マネジメントを推進する組織的な要因に関する研究』(白百合女子大学初等教育学科紀要第7号)にまとめ投稿した。一連の研究過程では、校長のビジョンとそれを翻訳し実践につなげるミドルリーダー教員の役割、カリキュラム・マネジメント研究を具体化するツール(例えば単元デザイン図、単元配列表、ICT活用等)の重要性を明らかにした。さらに、京都府、京都市、仙台市の教育委員会に訪問(一部オンライン)を行い、③の研修開発の基礎資料とした。①に関しては、2022年2・3月にオランダの小学校2校、高校1校の校長等にオンラインでインタビューを行い、カリキュラムマネジメントを支える教員組織、組織マネジメント、研修等について調査した。本調査結果を踏まえ、2022年9月には訪問調査を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
訪問調査結果を基に、カリキュラム・マネジメント能力の開発につながる校内研修のあり方を検討してきたが、緊急事態宣言等の影響により、その有効性を学校現場等で検証することは十分行えなかった。また①では、資質能力育成型の教育を進めるオランダやフィンファンドの学校におけるカリキュラム・マネジメントについて実地調査する予定だったが、本年度も実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
期間を1年延長し、2022年度も引き続き研究を進める予定である。具体的には、開発してきた研修プログラムを試行し、その効果等を実証的に検証するとともに、9月には、フィンランド、オランダの学校におけるカリキュラム・マネジメントの推進状況やその条件等を訪問調査する。研究成果は、書籍等にまとめていくこととしている。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言等の影響により、研究が計画通り進まなかったため、研究期間を2022年度まで延長した。2022年度は、国内外の学校等訪問調査、開発した研修プログラムの効果検証にかかる経費等として使用する予定にしている。
|
Research Products
(2 results)