2019 Fiscal Year Research-status Report
Work-Life Career Development of Boys and Men in Insular Southeast Asia
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19K02525
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鴨川 明子 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40386545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 美奈 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30298442)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジェンダー / 男性学 / 性役割 / 女子教育 / 男性性 / 比較教育学 / 父親 / ワークライフキャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)において、ジェンダーと教育の問題は解決されるべき目標に掲げられる。ジェンダーと教育の問題は、相対的に不利な立場に置かれた女性の問題としてとらえられることが多い。 本研究は、高等教育段階において男女間の教育格差が縮小しているように見えるが、男性がより高い教育段階に進学しない点に特質が認められる島嶼部東南アジア3ケ国に対象を絞る。そして、これら対象国における男性の「ワークライフキャリア」の意識と実態を明らかにすることを本研究の目的とする。 この研究目的の下で、初年度(本年度)は、男性の教育に関する歴史的背景や社会・政治・経済・文化・宗教などの要因分析を行うことが当初の作業課題であった。その作業を進める過程で、初期の研究枠組みを構築するためには、対象国における女性の教育に関する状況が予想以上にドラスティックに変容しており看過できないと考えた。そのため、ジェンダーの観点から先行研究や、各国の政府や研究機関等がインターネット上で公表している文書・資料を網羅的に収集するよう努めた。 また、日本比較教育学会(東京外国語大学)、日本教育学会/WERA(東京)、東南アジア研究フォーラム(立命館大学)に参加し、他の科研と有機的に連携しながら成果の公表にも努めた。同時に、対象国に関する情報収集および研究分担者との研究打ち合わせを実施した。殊に、『東南アジア文化事典』(丸善出版)において、項目「女性の高学歴化」を公表できたことは本年度の代表的な成果の一つである。加えて、研究分担者服部美奈氏によるインドネシアの幼児教育・保育に関するブックレット出版(ベネッセ教育総合研究所)も子育てに係る事情を広く一般に伝える上で重要な成果である。 ただし、3月に実施予定であった現地調査は新型コロナウィルスの影響を受けて、次年度以降に延期にすることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響を受けて、初年度末に予定していた現地調査を見送ることとなり、現地における調整および情報収集が若干遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
外務省の渡航情報によると、新型コロナウィルスの影響により、対象国・対象地域への渡航は「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)」と制限されている。次年度も状況に変化がないようであれば現地調査は見送り、ジェンダーの観点から、女性の動向も含め、先行研究や各国の政府や研究機関等がインターネット上で公表している文書・資料を継続的に収集することによって、当該テーマに関する理解を深める。 また、次年度から新たに、東マレーシアの教育に関する専門家である金子奈央氏に研究分担者に加わっていただいた。これにより、対象国・対象地域におけるワークライフキャリアに関する国内の多様性をより深く理解することができると考える。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症予防の影響で、年度末に予定していたマレーシア実地調査を見送ったため、実地調査に係る次年度使用額が生じた。次年度以降、渡航禁止が解除されるなど安全な渡航が見込まれる場合には再度実地調査を行う予定である。 もし渡航が難しい場合には、男性のワークライフキャリアの現状に加えて、より資料収集しやすい女性のワークライフキャリアを明らかにすることによって、問題の全体的な把握に努める。
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