2020 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research for the design of career education for the purpose of achieving "A society in which all members can play an active role"
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19K02536
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷田川 ルミ 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20624266)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | キャリア教育 / キャリア形成 / ライフコース / 全員活躍 / ESDとキャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、若年世代のライフコース展望のメカニズムを実証的に明らかにすることを通して、職業を軸とした人生設計の構築に寄与するキャリア教育の在 り方を検討し、具体的な教育プランを検討することである。2020年度は、本研究の二年目として、以下の研究を実施した。 (1) 昨年度に引き続き、若年世代におけるキャリア形成、学校におけるキャリア教育に関連する文献・論文の収集を行い、本研究における先行研究として整理した。 (2) 初等、中等教育段階におけるキャリア教育の現状についての情報収集として、中学校2校に対して訪問調査を実施した。訪問調査においては、主に「総合的な学習の時間」で行われている内容についてヒアリングを行い、その中でも生徒のキャリアに関わるような教育内容について、具体的な授業内容の資料、方法、担当者、学校内での組織体制などについての情報を得た。ヒアリングを行う中で、都市部の学校と非都市部の学校における生徒たちのキャリアの考え方が異なっていることが明らかとなってきた。非都市部においては、地域社会そのものが少子高齢化によって弱体化していることもあり、若者の流出に歯止めをかけたい状況である。それを受けて、学校教育としてのキャリア教育においても、地域社会と自分のキャリアを強く関連させて考えさせたいということから、ESD(持続可能な開発のための教育)とキャリア教育を組み合わせて実施している事例がみられた。地域によってのキャリア教育の考え方の違いとESDとの組み合わせについては、次年度以降のカリキュラム開発に生かすべき知見となった。 (3)キャリア教育を受けた世代(現在の20代~30代)に対して、キャリア教育の効果についてのweb調査の実施を行った。2021年度に結果を集計し、成果の発表につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はコロナウィルスの影響で、2020年度に予定していた現地調査が2校のみとなり、カリキュラム開発の材料収集としては進まない状況であった。成果公開についても予定していた学会が中止になるなど、進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は2020年度に積み残した、全国の学校へのヒアリング調査を行う。具体的には、学校教育におけるキャリア教育の教育プログラム作成に向けて、中学校、高等学校と連携し、実際の学校教育現場の状況やキャリア教育の実施状況などの実態を把握する。また、中学生、高校生向けの地域学習(キャリア教育にも紐づけられている)に実際に参加し、教育効果の測定を行う。現地調査が難しい状況なので、オンラインを積極的に取り入れて研究を進める。 これらの調査研究で得たデータについては、今年度の後半にデータ化される予定であるため、今年度中に分析を行い、2022年度に研究成果の公開を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、国際学会、国内学会、現地調査の旅費の使用予定が無くなったため。これらは2021年度の計画に持ち越しとなっているため、今年度使用する予定である。
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