2020 Fiscal Year Research-status Report
Refromations of Japan and United States Education Politics in 1980's
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19K02545
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
長嶺 宏作 帝京科学大学, 教職センター, 准教授 (30421150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 まどか 植草学園大学, 発達教育学部, 講師 (00761868)
荒井 英治郎 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (60548006)
木村 康彦 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00802076)
高木 加奈絵 倉敷芸術科学大学, 学内共同利用施設等, 講師 (50880978)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 福祉国家 / 臨時教育審議会 / 教育の自由化 / 委員の選任 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1990年代以降に日米両国で福祉国家的な教育政策から新自由主義に基づく教育政策への教育政治の再編を明らかにすることを目的とする。その歴史的な転換点において、1984年に日本で設置された「臨時教育審議会」と、1981年にアメリカで設置された「優秀性に関する全米教育委員会(National Commission on Excellence in Education)」に注目する。両組織の編成過程と報告書・答申の形成過程を明らかにすることを通して、今日につながる教育改革の原点を再審したい。 2019年度は研究計画の通り、資料収集を行うことを目的とした。インタビュー調査では2名の対象者を中心に聞き取り調査を進めてきたが、2月に予定していた調査からコロナウィルス感染防止のため中止となった。また、資料収集は公文書館にある資料の情報公開請求を行い、また、「臨時教育審議会」関係史料の収集を進めることができた。 2020年度は、コロナ禍においてインタビュー調査は中止とした。その一方で、資料調査は継続して、進めることができた。 全ての資料を十分に収集できてないが、現在ある資料を使って、研究成果として『東京大学大学院教育学研究科教育行政学論叢』に「臨時教育審議会設置法案」の成立過程に関する一考察」「臨時教育審議会の「失敗」に関する仮説の構築」を発表することができた。また、日本教育行政学会において「臨時教育審議会一次答申までの過程」「臨教審委員の選任過程」を発表することができた。 歴史的な経緯から時系列に進めているが、今後はトピックに応じて、研究を進めていきたい。具体的には、2021年度は、中止となったインタビュー調査とともに、「臨教審設置法」の成立過程、専門委員の選任過程、一次答申の成立過程、個別政策分野の議論課程などを明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー調査を予定していたが、コロナ禍において全て中止となった。文献調査を進めているが、限界もあるために、本年度はインタビュー調査を実施し、文献調査を補完していきたい。 資料については、継続して収集しているが、臨時教育審議会に直接的に関わる資料だけでなく、国立国会図書館の「憲政資料室」にある資料を活用し、史料の多角的な収集をしていきたい。 また、移動の制限等があったために、研究者間の協議する場面が少なくなってしまったため、資料の分析作業が遅れた。本年度は研究会等の回数を増やし、解消していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度までの成果は、一定程度示すことができたが、明らかにできていない部分が多く、本年度は、昨年度の成果を踏まえた上で、研究を進めたい。第一次答申にいたる大まかなプロセスは明らかにすることができた、総会の背後にある各部会、運営委員会等の分析が不十分である。また、臨教審委員の選任過程を考察したが、専門委員の分析はしておらず、本年度実施したい。次に、「臨時教育審議会設置法」の成立過程についての詳細が分析できていない。以上の点を重点的に取り組むとともに、臨教審が議論した争点や影響についても継続して考察していきたい。 また、アメリカにおいて『危機に立つ国家(A Nation at Risk)』の報告書を作成した「優秀性に関する全米教育委員会」を考察し、日米比較とともに、1980年代以降、先進各国で実施された福祉国家再編の中での本研究の位置づけを考察したい。
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Causes of Carryover |
昨年度のコロナ禍でインタビュー調査・学会発表のための旅費・調査用費用等が支出することができなかった。そこで本年度に昨年度、出来なかった研究活動を再開し、昨年度に予定していた支出を執行する予定である。
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Research Products
(5 results)