2021 Fiscal Year Research-status Report
High School Reform Aimed at College and Career Readiness in Califorinia
Project/Area Number |
19K02548
|
Research Institution | Kansai Women's Junior College |
Principal Investigator |
西 美江 関西女子短期大学, その他部局等, 教授 (20515895)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | integrated curriculum / relevance / rigor / equity / career academies / linked learning |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、公正をめざす後期中等教育段階の統合カリキュラムの開発を、関連性(relevance)と厳格性(rigor)の観点から分析することである。 2021年度は引き続き、米国ハイスクールで統合カリキュラムの代表的事例に位置づくキャリア・アカデミー(CA)を取り上げ、アカデミックな教育と職業教育の統合カリキュラムの開発において、関連性と厳格性を両立する方略の解明を行った。CAは、小規模学習共同体(small learning communities, SLC)、キャリアのテーマをもつ進学準備カリキュラム、企業とのパートナーシップという3つの特徴をもつ。このうち州補助金プログラムとして発展したカリフォルニア・パートナーシップ・アカデミー(CPA)を事例として、CA開発の一つの到達点である2000年代半ばまでの分析を行った。 同州における厳格性は、カリフォルニア大学(UC)への応募に求められる「a-g要件」として定義されている。CPAでは在籍者の半数が退学リスクを抱えつつも、「a-g要件」修了率が白人比率の高い州平均をかなり上回った。要因の一つに、職業科目による「a-g要件」の充足をUCが推進してきたことが挙げられる。CPAにおける関連性と厳格性を両立する方略としては、一つは、アカデミック基準及び産業別基準を用いた統合プロジェクトがあり、もう一つは、現在ではカリキュラム・マッピングと呼ばれるカリキュラムの配列(curriculum alignment)がある。後者は、教科間で関連する単元を同じ時期に扱うよう調整するもので、SLCとしての構造がCPAにおける教師の協働の基盤になっていた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査が実施できない状況が続いていたが、元カリフォルニア州教育省で要職にあった方々、UCの学生募集担当者、Linked Learning(関連づける学び)の研究開発を行ったことで知られるconnectED関係者へのオンラインによるインタビューを実施し、有益な情報を入手することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に明らかになったキャリア・アカデミーの到達点と限界を踏まえ、オンラインによるインタビューで入手できた情報をもとに、カリフォルニア州の州レベルの統合カリキュラムの枠組みについて、その特質の解明を行う。なかでも、カリフォルニア州の進学要件である「a-g要件」を充足する職業科目の開発についてはほぼ先行研究がなく、本研究によりその特質を解明したい。
|
Causes of Carryover |
研究費の中心を占める海外調査の実施が困難な状況が続いている。本年度、海外調査の実施機会を窺うとともに、研究期間の延長を検討している。
|
Research Products
(2 results)