2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K02552
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
阿内 春生 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10608839)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教育行政学 / 教育政策 / 教育と政治 / 地方教育行政 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は市町村における教育政策の選好の分析にあたって、試行としての分析を進めた。論文の公表には至っていないが、市町村議会の会議録を収集した上で、計量テキスト分析を行い、所属会派による主張内容の違いや対首長の発言内容などにも違いがあることが示唆されているが、教育政策の内容において大きな違いが見いだせていないため、さらなる分析が必要である事が示されている。 市町村において、学校教育政策の課題となり得るのは市町村が設置し直接管理監督をしている小中学校が中心となる。また、隣接する領域では保育園関係、子育て関係の政策が議論されることも多い。近年は少子化の中で学校統廃合が地方議会においてもしばしば取り上げられる。これは市町村自体が財産を所有する学校施設の維持管理、整理統合に関する事項だからであり、地方議会の議員にとっても住民の関心が高い学校統廃合は、議会の中で訴求しやすい改革課題であると考えられる。 また、同時に市町村が行政委員会たる教育委員会を介在せずに、直接行政としてのサービスを提供している保育行政も市町村議会では取り上げられることが多い。待機児童の解消は長く政治課題として強調されてきたし、首長自身が選挙公約等で掲げる場合も多く、議員にとっても関心の高い政策課題であると考えられる。 こうした想定の下に、市町村立小中学校の学校統廃合や、保育行政について分析を試みたが、顕著な会派ごとの発言傾向や回次による発言の違いなどを見出すに至ってはいない。今後は、検討する政策課題自体を加除しつつ、会派・回次など以外の外的な要素を検討の対象に加えて研究を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先述したとおり、市町村議会の会議録の分析には着手しており、分析内容のさらなる高度化を目指して研究を継続しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に立てた教育政策の種別や中身による分析を精緻にすること、に今後の課題があると考えている。分析にあたって会派や議会の回次以外の要素を外部変数として投入することを検討し、いくつかは試行しているが投入するデータの構築そのものにも時間がかかるため今後は作業の効率化を図っていきたい。
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Causes of Carryover |
旅費等の支出を一部2020年度に移行したため。調査研究のための旅費は新型コロナウィルスの感染拡大が収まってからの支出となるが、平行してwebを通じた地方議会会議録の収集と分析を進め、研究に遅れが出ないよう努める。
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Research Products
(3 results)