2023 Fiscal Year Research-status Report
発達の気になる外国にルーツをもつ幼児の教育支援体制:就学移行支援を中心に
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19K02583
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
二井 紀美子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30549902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名倉 一美 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (80548222)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 幼児教育 / 質の評価 / ブラジル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度まで、国内の発達の気になる外国にルーツをもつ幼児への支援について調査・研究を行ってきた。それらの成果を総合的に分析した結果を日本教育学会で発表した。 一方、本研究開始時に予定していたブラジルで始まる幼児教育評価の調査については、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生したため、ブラジルでの幼児教育評価の実施も遅れ、また渡航もできず、研究を進めることができなかった。しかし、2023年度は、ようやく渡航してブラジルで調査を行うことができ、現地の幼児教育研究者とも共同で分析作業を行うことができた。コロナ禍以降、ブラジルでは、政府による学校調査の対象に幼児教育が含まれるようになり、また幼児教育の質に関する包括的な大規模調査も民間財団や大学によって行われるようになっていることから、ブラジルにおける幼児教育の質と評価について検討した。その結果、ブラジルではこの10年の間に幼児教育の重要性が高まっており、幼児教育の質の評価方法に研究関心が集まっていること、ブラジルの具体的な評価方法は国際的な調査方法(幼児期の学習環境測定ツールMELE)の尺度をブラジルの状況に適合する調査方法(幼児学習環境評価尺度EAPI)を開発したことなどが明らかとなった。また、OECDのStarting Strongシリーズにおける「多様性」に関する記述分析を行った。これらの研究結果については、日本乳幼児教育学会第33回大会にて発表した。 また、2022年度まで行ってきた発達の気になる外国人幼児の受入れと支援に関する調査研究の成果発表の一環として、豊橋市こども発達センターにて、科研費研究シンポジウム「発達の気になる外国にルーツをもつ幼児の教育支援を考える」を2023年8月に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、遅れていた海外幼児教育の質の評価方法の検討を行うことができたため。また、幼児教育関係者に対して、研究成果公表の場として、シンポジウムを開催することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度となるため、これまでの行ってきた研究成果の発表に重点を置く。具体的には、学会発表、論文投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画に、コロナ禍や研究代表者の健康上の問題から研究遂行に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。2024年度の使用計画は、主に研究成果発表に使用する。国内だけでなく、可能であればブラジル等の海外での研究発表を行いたい。
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