2021 Fiscal Year Research-status Report
初任保育者の乳児に対する子ども観と保育に関する縦断研究
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19K02584
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
中川 愛 奈良教育大学, 家庭科教育講座, 准教授 (30446223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 香織 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 准教授 (40411938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳児保育 / 初任保育者 / 子ども観 / 保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,まず,1年目保育者のインタビュー調査に関するデータをまとめた。 中川・山口(2021)は,乳児クラスを担当する初任保育者が,保育現場での日々の保育実践の経験から,乳児を捉える視点をどのように変容させていくのかについて検討した。初任保育者の乳児の捉え方は,4~6月は,子ども一人一人を大事に捉えようとしている時期,7~10月は,子ども一人一人と関係性を築きつつも,集団への視点もあらわれてくる時期,11~3月は,子どもとの関係性を基盤として,子どもを多面的に捉えようとしている時期というように,個の育ちと集団の育ちを,両面から捉えようと変容していくことが推測された。 また,山口・中川(2021)は,一人の初任保育者が,0歳児クラスの保育の,何に「喜び」を感じ,またどのような「葛藤」を抱えながら子どもや保育と向き合っていくのかについて,その意識プロセスを検討した。初任保育者の「喜び」は,5つの概念カテゴリーに分類できた。また「葛藤」は,4つの概念カテゴリーに分類できた。そして,初任保育者の喜びと葛藤の意識は,0歳児保育の特徴である愛着形成を基盤とした子どもとの関係性の中に現れる傾向が大きいこと,大学時代までに構築された子ども観や保育観は「喜び」や「葛藤」の意識プロセスに影響していることが示唆された。 また,2年目,3年目の保育者に,インタビュー調査を実施した。今後は,インタビュー調査で得られた結果をまとめるとともに,経年変化なども検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目保育者のデータ整理が進んでいること, 2年目,3年目の保育者に対するインタビュー調査が実施できたことから。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に実施したインタビュー調査をまとめていくとともに,経年変化なども検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
学会がオンラインで開催され,旅費として使うことがなかったため,次年度使用額が生じた。次年度は, 論文投稿に係る費用として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)