2019 Fiscal Year Research-status Report
アイデンティティの揺らぎ体験を活かす保育者力量形成プログラムの実践開発
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19K02585
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 修 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (50310850)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保育者 / アイデンティティ / 自伝的記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会の急激な変動を背景に、今、保育者には一層高い資質・力量が求められている。他方、保育者にとって養成期、初任期、中堅期は成人形成期と重なり、アイデンティティ形成という発達上の課題に直面する時期でもある。筆者は、しっかりと子どもの発達を支え援助していくこれからの保育者には、専門的知識・技能の修得のみならず、保育者自身の自我の成長発達を志向した養成とその後の継続的支援が不可欠と考える。 そこで本研究では、保育者固有のアイデンティティ形成とその再統合の過程をこれまでの研究から整理する。また、得られた知見、とりわけ保育者のアイデンティティの「揺らぎ」に焦点をあて、自伝的記憶としての「揺らぎ」体験を活かした支援の具体的方途を提示する。もって、保育者の成長支援と実践の質保証を図ることを目指す。具体的には次の3点を主な目的とする。1 保育者固有のアイデンティティ形成とその再統合のプロセスを改めて整理する。2 アイデンティティ形成と自伝的記憶など他の主な要因との関連を明らかにする。3 保育者のアイデンティティ形成における「揺らぎ」を活用した具体的な支援プログラムを開発する。 本研究の目的に即して本年度は、1 保育者の自伝的記憶を収集するための質問紙調査等の準備を進めた。2 研究レビュー等を目的として国内外の文献を公的機関等において収集した。これらと並行して、過去のデータから援用可能なデータの整理分析を進めた。また国内の研究者から指導助言を受けることができた。研究成果の一部を関連学会等で発表するため準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では先ず、保育者固有のアイデンティティ形成とその再統合のプロセス、及びアイデンティティ形成と自伝的記憶など他要因との関連等を、先行研究を中心に整理する。次に、保育者の自伝的記憶を収集するための質問紙調査等を順次行い補強する。さらに、得られた知見を踏まえ、保育者のアイデンティティ形成を促すための、「揺らぎ」体験を活用した支援プログラムを提示するところまでを本研究は目指す。研究代表者が管理職に就くなどしたため、実施時期が若干遅れているが想定の範囲内であり、最終年度までに計画的に進め、完了できる見通しが立っている。収集済みのデータについては、さらに整理・分析を進めることができた。以上の理由から区分を「(2) おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、次の段階として、保育者の自伝的記憶を収集するための質問紙調査等を必要に応じて行い、質的に補強することを目指す。さらに、得られた知見を踏まえ、保育者のアイデンティティ形成を促すための、「揺らぎ」体験を活用した支援プログラムを開発することを目指す。新型コロナウィルス感染症への対応のため、予定していた調査の実施時期や方法は検討する必要があるが、研究計画や方針の大きな変更はない。順次、諸分野の研究者や保育実践者から、本研究への評価やフィードバックを仰ぎ、具体化を進めたい。
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Causes of Carryover |
理由:旅費、人件費・謝金、その他について、今年度は、出張や研究補助のための雇用等がなかったため、次年度使用額が生じている。 使用計画:本研究は、研究代表者による単独研究ながら、学外研究者(養成校教員など)等と協働しつつ、実施と評価を行い展開を図る。このため、「研究打ち合わせ費」「複写費」、データ分析のための「研究補助費」「文房具費」、郵送調査のための「通信費」「印刷費」等、主に研究活動の円滑な推進や運営のための経費を計上している。初年度においては、一定の物的環境を整えることができた。さらにデータの整理・分析に必要な物品等を購入し、今後の作業に備える。加えて今年度以降には、入力作業等のための研究補助者1、2名を雇用し、研究を促進したい。次年度使用額と今年度分として請求した助成金を合わせ、作業を円滑に進めるために使用したい。
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