2021 Fiscal Year Research-status Report
胎児期から乳児期の子どもを育てる両親のQOLとSOCに関する研究
Project/Area Number |
19K02591
|
Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
林田 りか 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (50326485)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | QOL / SOC / 育児 / 乳児期 / 胎児期 / 両親 / 調査票開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は親の育児不安や児童虐待を防止するために、胎児期から乳児期の子どもを育てる両親を対象に日本人に適したオリジナルのQOL調査票を開発すること、胎児期から乳児期にかけて1年間の両親の子育てに関するQOLおよびSOCの変化、モチベーション曲線の変化を明らかにすることを目的としている。 2019年度において研究実施計画『1.乳児期の子どもを育てる父親のQOL調査票の開発』では、乳児期の子どもを育てる父親へのインタビュー結果や既存の調査票の内容を参考に、乳児の父親用QOL調査票の作成を行った。その後、保育施設に通う乳児の父親を対象にプレテストを行い、統計学者のアドバイスを受け、調査票の妥当性・信頼性の詳細な分析を行った。 2020~2021年度には、分析結果をもとに乳児期の子どもを育てる父親のQOL調査票に関する概念領域や質問内容の精選作業および再検討を行い、調査票を作成した。さらに、研究実施計画『2.胎児期の子どもを育てる両親のQOL調査票の開発』においては、胎児期の両親へのインタビュー結果や国内外で開発された調査票の内容、今まで開発してきた育児のQOL調査票の概念領域の検証、質問内容等を参考に、胎児期の両親のQOL調査票を作成し、少人数に対してプレテストを実施した。今後は、本格的なプレテストおよび本調査を実施し、調査票を完成させる予定である。 なお、QOLに関連する研究成果は、28th Annual Conference of the International Society for Quality of Life Researchに学会発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019~2021年度の研究計画実施状況について、研究実施計画に沿って理由を述べる。 研究実施計画『1.乳児期の子どもを育てる父親のQOL調査票の開発』:乳児期の子どもを育てる父親へのインタビュー結果や国内外で開発された調査票、今までに開発した乳幼児の両親のQOL調査票を参考に、乳児の父親用QOL調査票を作成した。そして、乳児の父親を対象にプレテストを行い、調査票の妥当性・信頼性も含め統計学者のアドバイスを受け、詳細な分析を行った。そして、概念領域や質問内容の再構築、再検討を行った。 研究実施計画『2.胎児期の子どもを育てる両親のQOL調査票の開発』:国内外で開発された調査票や、今までに開発してきた育児のQOL調査票の概念領域、質問内容を参考に、胎児期の両親のQOL調査票を作成し、少数にプレテストを行った。 本格的なプレテストおよび本調査の実施は、新型コロナ感染症拡大の影響により、日程調整に困難をきたしたため実施までには至らなかった。本研究に関連する勉強会の実施や、国内外の学会および研究会への参加は行っている。以上のことより、研究実施計画については遅れていると評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策について、研究実施計画に沿って述べる。 研究実施計画『1.乳児期の子どもを育てる父親のQOL調査票の開発』については、妥当性・信頼性を検証した父親のQOL調査票を活用して、今後は本調査を実施し、調査票を完成させる予定である。 研究実施計画『2.胎児期の子どもを育てる両親のQOL調査票の開発』について、胎児期の両親のQOL調査票の作成途中である。今後は、本格的なプレテストおよび本調査を実施し、調査票を完成させる予定である。新型コロナ感染症拡大の影響を鑑みて調査場所と依頼施設および調査人数、調査方法の検討を行う必要があると考える。 研究実施計画『3.胎児期から乳児期の子どもを育てる両親のQOL、SOC等の変化』については、調査票開発研究の進捗状況により、研究実施計画を延期する必要がある。
|
Causes of Carryover |
【理由】「乳児期の子どもを育てる父親のQOL調査票の開発」については修正途中であり、「胎児期の子どもを育てる両親のQOL調査票の開発」については調査票の作成途中である。新型コロナ感染症拡大の影響により、施設への調査依頼や調査実施にかかる旅費、調査票の印刷費・郵送費、アルバイト等の人件費、消耗品等の支出額が減少した。また、国内外の学会や研究会がweb開催となり旅費が必要なくなり、調査票に関する統計学者への相談もオンラインで実施できたため、経費がかなり軽減された。しかし、リモートワークや在宅ワーク増大により、コンピューターや周辺機器の購入が必要となった。 【使用計画】2022年度の研究実施計画は、引き続き「乳児期と胎児期の子どもを育てる親のQOL調査票の開発」を行う予定である。県内外への事前相談・調査依頼を行ったうえで、プレテスト・本調査を実施する計画である。そのための旅費や調査票の印刷費、郵送費、データ入力のための人件費が必要になる。分析において、ソフトウェア購入や統計学者のコンサルタントを得るため、費用が発生する。研究成果報告のため、国内外への論文投稿ならびに学会発表等にかかる経費も引き続き、支出することが予想される。
|