2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on supporting preschool teachers at the time of disaster and development of education program for disaster prevention
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19K02592
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
西浦 和樹 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (40331863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和浩 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (40560587)
柴田 卓 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60762218)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 災害支援 / 心のケア / 令和元年東日本台風 / カウンセリング / スウェーデン / タクティールケア / オキシトシン / ストレス軽減 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、災害発生から急性期における子どもと家族、保育者の支援に対して、『創造的思考』の特性に着目した心理的回復・成長効果の期待できる新たな介入ツールを開発することを研究全体の構想として掲げていた。さらに、北欧の「民間防衛」をヒントにした防災教育プログラム開発とその教育効果を測定し、防災教育の効果的な実施方法を検討することとした。 2019年度の主たる研究活動として、令和元年東日本台風(2019年10月12日に日本上陸)に関する災害調査と心のケア支援を目的とし、宮城県丸森町の認定こども園とその周辺への被災地支援を行った。第1回目の被災地支援では、災害発生から急性期における子どもと家族、保育者の支援に関する調査を行った。内訳は、保育職員に対するメンタルヘルス講話(受講者70名、受講時間1回20分)を実施し、講話内容は「ストレスの理解」について心の状態を知り、災害時に特に注意を払うべき事柄について、過去の災害事例(例えば、北海道胆振東部地震の状況)を取り上げ、講話を行った。また、個別の対応が必要な職員1名に対して、カウンセリング(1回50分)を実施した。また、第2回目の被災地支援において、個別の対応が必要な職員1名に対して、カウンセリング(1回50分)を実施した。 同時に、心理的回復・成長効果の期待できる新たな介入ツール「タクティールケア」に着目し、ストレス軽減ホルモンといわれるオキシトシンが及ぼす生理・心理的メカニズムの解明を試みた。しかしながら、防災教育プログラムの観点での介入プログラムとしての実績はなく、今年度については防災教育の効果的な実施方法について、関係者と協議することに留まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究当初の予定以上に、災害が多く発生したため、保育職員に対するメンタルヘルス講話を行うなどの対応に注力することができた。一方で、当初予定していた、災害時のストレス測定と評価に踏み込むことは、災害現場の状況を鑑み、先送りすることとした。 また、スウェーデンで開発されたタクティールケアの導入が進んだため、単なる発達アセスメントによる測定ではなく、タクティールケアが本来持つ心地よさや安心感、といったストレス軽減作用に迫る準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究発表の機会として、ICP2020(開催国:チェコ・プラハ)を予定していたが、新型コロナウィルスの影響を受けて、開催が1年延期されることとなった。また、国内外の出張も難しく、対人接触を必要とするタクティールケアの実験的検討が難しい状況に陥っている。
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Causes of Carryover |
主に、ICP2020(開催地:プラハ)への参加費用などを予定している。
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