2021 Fiscal Year Research-status Report
リズミカルな動作遂行過程からみた調整力の発達特性-幼児の動きの評価と改善に向けて
Project/Area Number |
19K02593
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 玲子 慶應義塾大学, 体育研究所(日吉), 教授 (80178673)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幼児 / リズミカルな動作 / 調整力 / 動きの評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神経系機能の発達が著しい時期にある幼児を対象に、遊びや日常活動の中でも馴染みのあるリズミカルな協応動作をとりあげ、その習熟過程や年齢に伴う動作の発達的変化を、観察ならびに実験的な手法を用いて明らかにしようとするものである。 2021年度は,当初の計画から大きく遅れた状態で始まったが,新型コロナウィルス感染拡大による影響を引き続き大きく受けることとなり,実際に本研究の対象である幼児の協力者を十分に確保することは困難であった。特に実験室等で接触を伴う測定を限られた期間で計画的に行うことは難しく,予備実験をいくつか行うことはできたものの,十分な準備の下に本実験を行うことができなかった。したがって,幼児を対象とした実験に基づく具体的な成果の発表を行うことはできなかった。 現在は,前年度までに収集したホッピング動作の習熟度に関する観察評価をまとめ,関連学会の学術誌への論文投稿準備を進めている。加えて,関連する学術誌への寄稿,あるいは講演等においては,ここまでに得られた結果を踏まえた内容を整理し,提言している。 また,実験研究の進捗状態を踏まえ,研究計画,研究手法についての見直しも含めて,状況にできるだけ柔軟に対応できる方法を見出すべく検討した。本研究全般の遂行にあたっては,国内外の先行研究から運動スキルの評価方法のレビューをさらに適切に用いること,映像による分析を中心に動作特性をとらえていくこと,などを加えていくことにより実効性は高まるものと考えられる。2021年度は,本来最終年度の予定であったが,以上より1年間の延長を申請し,もう1年かけて本研究をまとめていくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は,引き続き新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた。特に幼児を対象とした実験を中心に計画していたため,計画通りの遂行は全く困難な状態であった。今後を踏まえて,実験手法の変更を検討し,状況による影響ができるだけ少なくて済むような計画を作成中である。なお,現状を鑑み1年間の研究期間延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
幼児を対象とした実験計画および手法を見直し,一定期間の間に柔軟な測定スケジュールを組み,データの収集が可能な形に変更していく。実験によって得られた動作の発達特性と,これまでに収集した動作習得度調査の結果をあわせて,幼児期の動きの指導に向けて有効な知見が得られるようまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度同様に,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け,幼児を対象とした実験を十分に行うことができず,実験に関わる用具の補充や,実施にあたっての補助者および資料整理補助者への謝金の支出がなくなったこと,また,関連学会への参加もすべてオンラインとなり旅費の支出もなくなったことにより多くの残額が生じた。2022年度にあたっては,実験手法を見直し,映像分析的な手法を主体としたデータ収集に変更する計画を立てており,現有システムのソフトウェア部分の補充を中心に使用することを考えている。
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